Nikon F2 50th Anniversary    4

赤外線 ITV(工業用)ニッコール 50mm F1.4

シネニッコールの展示。いきなりこれだ。困ったものである。 こういう激レアレンズが出品されるとは事前の情報から把握しておらず、突然目の前に出てきてびっくり。 心の準備が出来ていなかったので動揺してしまった。 さらにまだ激レア物件があって。

シネニッコールの歴史

シネニッコールの展示コーナー

タテカン

画像上をクリックすると拡大表示するのでぜひ読んでいただきたい。 「知られざるシネ・ニッコール」。今回の企画展のコンセプトである。

激レア物件

スーパーレア・ニッコールレンズ

テレビニッコール EE 25mm F1.4 1962年

この展示には驚愕した。 いぜんTVニッコール 35mm F0.9のことを調べていた時の話である。 X線TVとかX線テレビでネットを検索すると、医療機関や医療機器メーカーから数々の情報が得られることは承知していた。 その上で、1960年代のTVニッコールとは、あまりにもベタではあるがテレビニッコールのことであることが明確になった。 実は最近までの長い間、明確に裏付ける一次資料が見つからなかったのである。 しかし、2018年の夏にニコンの一次資料が見つかった。しかも、遠くスロバキアの地から送られてきた。 以下に当該資料から抜粋した画像を掲載する。

「Nikkor」日本光学発行 資料番号 BAOL 6503-69 昭和41年9月
テレビニッコールの説明が記載された1966年9月版の資料から
スロバキアのマーチンさん(Mr. Martin Moravcik-san)提供

この資料のおかげで 「テレビニッコール EE 25mm F1.4」などと言うあやしいレンズの存在を知ってしまった。 いずれ20年以内には、世界のどこかでこの記事が役に立ち、勇気づけられる人が出てくるだろう。

と、書いたのが2018年のことだった。 そして2021年。ニコンミュージアムの企画展で現物とご対面することになった。 この画像に驚愕する人は世界に数人はいるはずだ。

テレビニッコール EE 25mm F1.4

テレビニッコール EE 25mm F1.4

製造シルアル番号 No. 250015

TV ニッコール 15mm F3.5 と 17mm F3.5

さらにびっくり

そしてこれである。 いきなり前ぶれもなく、危険物が置かれていた。 赤外線 ITV(工業用)ニッコール 50mm F1.4。 赤外線撮影によって工業製品の温度を測定する工業用カメラのために試作したレンズだと言う。 産業用カメラではなく工業用カメラと言うところが素敵だ。 しかも東京オリンピックの1964年(昭和39年)製造。

赤外線 ITV(工業用)ニッコール 50mm F1.4 1964年

赤外線 ITV(工業用)ニッコール 50mm F1.4

お気づきの方が多いと思うが、そのお顔はニッコール H オート 50mm F2 に近い。 Fマウントのそれは1964年(昭和39年)1月発売だから同じ1964年製は双子の兄弟と言えるだろう。 レンズ正面リムまわりの刻印が力強く揮毫されている。気合の入り方が読み取れる。 レンズのシリアル番号が試作番号まる出しである。

赤外線 ITV(工業用)ニッコール 50mm F1.4

赤外線 ITV(工業用)ニッコール 50mm F1.4

ベリーオールド・シネニッコール

歴史的シネニッコールの数々

シネニッコール 12.5mm F2.8 1938年頃

シネニッコール 12.5mm F2.8 とケース

シネニッコール 10mm F1.4 と 25mm F1.4 1958年

シネニッコール REVERE C 13mm F1.9 1949年

シネニッコール 13mm F2.5 1955年

オールド・シネニッコール

米国 Revere社製 8ミリシネカメラ 1950年

シネマックス 8 1955年

ニコンの8ミリカメラ

ニコンの家庭用ビデオカメラ

ニコレックス 8 1960年

ニコン ズーム 8 1963年

シネズームニッコール 7.5mm〜45mm 1963年

ニコン スーパーズーム 8 1966年

ニコン R10 スーパー

ニコン R10 スーパーと R8 スーパー

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 次の展示コーナーを見てみましょう。   第 5 章  シネニッコール図鑑

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第 0 章      トップページ
第 1 章      冒険家のニコンF2
第 2 章      報道写真家のニコンF2
第 3 章      幻のニコンF2白チタン
第 4 章      シネニッコールの歴史
第 5 章      シネニッコール図鑑

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