テーマは「世界最高解像力レンズの系譜」 ● 今世紀最大の弩級の展示 なんとも、なんともすごい企画展である。 ともかく、展示をじっくり見てみよう。まさに超弩級の展示だ。 展示物を撮影した画像は、画像の上で左クリックすると、大きいサイズの画像を表示できる。 細部まで確認し精査したい方は拡大してご覧いただきたい。
いきなりドカンと重量級レンズ(0.5トン)がお出迎え
ウルトラマイクロニッコール 30mm F1.2 ● 夢のウルトラマイクロニッコール・ツリー ウルトラマイクロニッコールの現物史料が、これほどたくさん、多種類勢ぞろいし、正装して並んだことはなかった。 大げさな表現ではなく、事実として、全世界初の一般公開である。 まさに「夢の」歴史的ウルトラマイクロニッコール・ツリーが目の前に展開されたのである。
全世界初公開の歴史的ウルトラマイクロニッコール・ツリー
ウルトラマイクロニッコールとはなにか まずは説明のパネルを見ていただこう。 ウルトラマイクロニッコール
1961年(昭和36年)、印刷会社や電気関係メーカーからの要望で、
半導体製造に使用するフォトマスク製造用の高解像力レンズの開発に着手。
完成したレンズには日本のみならず、海外からも多くの注文が入ったためにシリーズ化され、
超解像力レンズとして「ウルトラマイクロニッコール」という名のもとで世界の市場を独占した。
ウルトラマイクロニッコール 12mm F1.2 試作(1972年)
ウルトラマイクロニッコール 28mm F1.5 試作と 28mm F1.7 試作(1972年)
ウルトラマイクロニッコール 22mm F1.5 試作(1973年)
ウルトラマイクロニッコール 58mm F1.8 試作
ウルトラマイクロニッコール 28mm F1.8(1967年) 開催期間中当時に話題になったのでアップの画像を置いておこう。 カメラ本体は Nikon 1 J5 ブラックボディ。 ライカL39スクリューマウントアダプターを介して、 ウルトラマイクロニッコール 28mm F1.8の最初期型がマウントされている。 最初期型でこれほどの美品は珍しい。
Nikon 1 J5 にピタリとフィット なお関係者から直接インタビューしてお聞きした話によると、このマウントアダプターは只者ではないのだ。 ニコン半導体露光装置ステッパーの設計者が特別展のために専用設計し、 たった 1個のみ特注ワンオフで金属削り出しにより製作された世界に 1つしか存在しない、 ニコン 1マウント - UMN 28mm F1.8 専用アダプターなのである。 フランジバックを正確に測定し、データに基づき設計され、 専門家が極めて精度高く製作したマニヤ垂涎の 1点モノなのである。もちろんニコン純正。
ウルトラマイクロニッコール 50mm F1.8 h線用と e線用(1969年)
ウルトラマイクロニッコール 165mm F4 と 12mm F1.2 試作(1970年)
ウルトラマイクロニッコール 12mm F1.2 試作(1970年)
UMN 105mm F2.8(1962年)と 125mm F2.8 試作(1965年)
ウルトラマイクロニッコール 55mm F2と 155mm F4試作(1965年)
ウルトラマイクロニッコール 155mm F4(1966年)
ウルトラマイクロニッコール 155mm F4(1966年)
全世界初公開の e線用フィルター(72mm径と 40.5mm径) 存在そのものが幻だったウルトラマイクロニッコール専用の e線フィルター。 いきなり現物がポンと置いてあって驚いた。 詳しい話は「 UMN 珍しい専用 e線フィルターの話 」を参照いただきたい。
ウルトラマイクロニッコール 105mm F2.8(1962年)
ウルトラマイクロニッコール 125mm F2.8 試作(1965年)
ウルトラマイクロニッコール 135mm F4 g線用 試作(1968年) 開催期間中の後半で追加展示されたもの。 ウルトラマイクロニッコール 135mm F4の試作。 何が珍しいかというと赤い刻印に示すとおり g線用のレンズなのです。 試作のみで実際の販売には至らなかったようです。 通常のモデルは e線用のレンズとなります。
ウルトラマイクロニッコール 55mm F2 h線用(1965年)
ウルトラマイクロニッコール 28mm F1.8(1967年)
小穴純教授製作のマイクロドット(超マイクロ写真)の拡大映像(1964年) ● 記事のご案内 画像の上で左クリックすると、大きいサイズの画像を表示できます。 細部までを確認したい方はどうぞ拡大してご覧ください。 → では次にいきましょう。 第 2 章 露光装置用縮小投影レンズへの道程 ショートカットはこちらからです。
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