October 2011, Nikon Kenkyukai     2

Einstein Tower

アインシュタイン塔

登録有形文化財となっている太陽塔望遠鏡ドームに向かいました。 森の中を歩くと、忽然と異形の建造物が視野に入ってきました。 塔のような建物の屋上にはドームが見えます。太陽塔望遠鏡です。 昭和五年のなつかしい風景。止まった空気。 太陽塔望遠鏡はドイツのポツダム天体物理観測所にあるアインシュタイン塔と同じ目的、 同じ光学系であることから、三鷹のアインシュタイン塔とも呼ばれたそうです。

太陽スペクトルの波長を観測し、 アインシュタインの一般相対性理論を実測検証するために建設された施設でありますから、 太陽塔望遠鏡というよりも当時の研究者の間で呼ばれていたように、 アインシュタイン塔と言うのがなじむ気がします。

中桐正夫先生の力強い解説

太陽塔望遠鏡

太陽塔望遠鏡ドーム(登録有形文化財)1930年(昭和5年)設置

アインシュタイン塔の扉の鍵を開ける中桐先生

塔の中に潜入

時代を感じさせてくれる塔望遠鏡の光路図説明の古文書
塔のように長い建物が望遠鏡の鏡胴になっていることが分かる

塔の最上部に設置されているカール・ツァイス製シーロスタット
(丸い鏡面部分にはフタが装着されています)

塔の内部

地下分光器室

この扉の先は大正時代の東京天文台の観測室へタイムスリップ

クールなインテリア

美しい異形の渋いオブジェ

アインシュタイン塔の地下

奥行 20メートル。壁は黒塗り。この巨大な暗室は地下分光器室。 アインシュタイン塔の地下にあります。 時代の観測装置や貴重な天文遺産が収蔵されています。

クリストロンゼロ

保谷ガラスのクリストロンゼロ鏡材

無膨張ガラス

アインシュタイン塔の地下には貴重な観測装置が収蔵されている

塔望遠鏡(太陽分光写真儀)の分光器のカメラレンズ

日食観測隊の観測装置

日食観測に使われたカメラ(レンズはウォーレンサック社製 10インチ F5.6)
(偵察機搭載の航空写真機がベースになっていると思われる)

日食観測隊が使った観測装置(ムービーカメラ関連)
(35ミリアイモ撮影機には観測用の工作が見られる)

大日本帝國陸軍一式固定射撃監査写真機(昭和18年六櫻社製)

どういう使い方をしたかは不明とのことでしたが貴重なカメラが残ってるものです。 レンズは当然ながら先鋭な眼をもつ天下の銘鏡玉「ヘキサー 75mm F3.5」。

天文ファン垂涎の天文月報(日本天文学会発行)のオリジナルコレクション

第45巻(1952年)から第47巻(1954年)あたりの貴重な天文月報

フーリエ分光器

フーリエ分光器

観測装置

ヒルガー分光器

観測野帳

屈折望遠鏡 48センチ対物レンズ

蒸留水の瓶の説明

蒸留水の瓶

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 では次にいきます。   第 3 章  大赤道儀ドーム

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第 2 章      アインシュタイン塔
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第 5 章      天文台の現在

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