Rayfact MJ 90mm F4    1

IMAGE SENSING SHOW 2023

Nikon Rayfact のこと

株式会社ニコン デジタルソリューションズ事業部のホームページから、 製品紹介>産業用カメラレンズ と読み進めると、高性能レンズの説明にたどり着く。

高性能の産業用カメラレンズ「Rayfact」は、 ニコン独自の光学設計に基づき、外観検査用途に専用設計されたレンズです。 シート、フィルム、印刷物、FPD用ガラス基板など、さまざまな分野の検査に貢献しています。 と説明されている。

製品年表

ニコン産業用レンズの枠組みで、 「Rayfact」ブランドが登場するのは 2001年(平成 13年)9月のことである。 ニコンの公式資料(社史)およびニコンのウェブサイトから、製品に係る年表を追ってみた。 年月はすべて発売日を示す。

産業用レンズ

2001年
  9月 Nikon Rayfact 25mm F1.4

2002年
 −     紫外線撮影用レンズ UV 105mm F4.5

2005年
  2月 Nikon Rayfact 80mm F4
  2月 Nikon Rayfact 3.5 倍
  6月 Nikon Rayfact 7 倍

2006年
  8月 Nikon Rayfact 2 倍(95mm F2.8)
12月 Nikon Rayfact 1 倍(105mm F2.8)

2007年
  4月 Nikon Rayfact IL 50mm
  4月 Nikon Rayfact IL 63mm
  7月 Nikon Rayfact IL 40mm
  7月 Nikon Rayfact VL 0.5x
  7月 Nikon Rayfact VL 0.7x
  7月 Nikon Rayfact VL 1.0x
  7月 Nikon Rayfact VL 1.4x

2009年
10月 Nikon Rayfact VW 0.14x
10月 Nikon Rayfact VW 0.25x
10月 Nikon Rayfact VW 0.35x

2010年
  7月 Nikon Rayfact MJ 90mm F4

2012年
  8月 Nikon Rayfact VF

2013年
  6月 Nikon Rayfact MJ 95mm F4
11月 Nikon Rayfact IL 75mm F4N

2014年
  4月 Nikon Rayfact IL 95mm F5.6N
  6月 Nikon Rayfact 2-5x 変倍レンズ
  6月 Nikon Rayfact 2-5x 変倍レンズ プリズムタイプ

2016年
  1月 Nikon Rayfact 5.2 倍 直筒タイプ
  1月 Nikon Rayfact 5.2 倍 落射タイプ
12月 Nikon Rayfact XG 0.35x
12月 Nikon Rayfact XG 0.5x
12月 Nikon Rayfact XG 0.7x
12月 Nikon Rayfact XG 1x
12月 Nikon Rayfact XG 1.4x

2018年
  4月 Nikon Rayfact 1-2x 変倍レンズ
  4月 Nikon Rayfact 1-2x 変倍レンズ プリズムタイプ

2019年から2023年
新製品無し。

2001年から 2016年までは、 ニコン 100年史 II 資料編 160ページより転載した。
2017年から 2023年までは、ニコンのニュースリリースを調べた。 2018年4月しか出ていない。 いらい 2019年以降 4年間新製品が出ていないようだが。

Rayfact MJ 90mm F4 の立ち位置

年表を眺めてみる。2001年 9月に Rayfact ブランドが立ち上がった。 2002年には、ニコン一眼レフカメラ用のニッコールレンズのラインナップから引き継いで、 紫外線撮影用レンズ UV 105mm F4.5が登場した。 2005年になると、既存のプリンティングニッコールをベースにしたモデルに加えて、 既存の EL ニッコールをベースにしたモデルが登場した。 RoHS指令規制物質に対応した設計がされている。

もちろん並行して、Rayfact ブランドオリジナルの製品が開発され販売が開始された。 2010年 7月。Rayfact ブランドのエンジンが全開となったこの時、 Nikon Rayfact MJ 90mm F4 がリリースされたのである。

Rayfactと出会える場所

Nikon Rayfact は産業用レンズの位置付けであるから、 カメラ量販店を含め、一般のカメラ店には置いていない。 中古カメラ店でも今のところ出てくる気配がない。

関係企業、研究機関など、画像とマシンビジョン業界向けの出展情報によると、 海外では、カリフォルニア、デトロイト、フランクフルト、中国上海、中国深セン、 ほかの国際的な大規模展示会場で Nikon Rayfact製品の展示が行なわれている。

国内を見てみると、東京ビッグサイト、幕張メッセ、パシフィコ横浜、 インテックス大阪、愛知県国際展示場、ポートメッセなごや、 ほかの大規模展示会場で Nikon Rayfact製品の展示が行なわれている。 広くに広報されていることがわかるが、なにせターゲットが限定的なので、 一般のカメラピープルにはあまり知られていない。

Nikon Rayfactと出会える場所。 パシフィコ横浜で、毎年 6月に開催される「画像センシング展」と 毎年12月に開催される「国際画像機器展」がその世界では有名だ。 ハイエンドな画像処理技術や応用製品を展示したブースが一同に集まる。 エンジニアから最先端の生きた情報を聞くことができるのが魅力。

2023年 6月に開催された画像センシング展 2023から、 Nikon Rayfact MJ 90mm F4 の現物展示の様子を以下に示す。

画像センシング展 2023

Nikon Rayfact MJ 90mm F4

Nikon Rayfact MJ 90mm F4

2006年 ニコン研究会

Rayfactと出会える場所ということで、 ニコンの愛好家団体であるニコン研究会の例会を紹介したい。 2006年 7月。テーマは UVニッコール。 産業用トチギ UV 105mm F4.5を購入した会員が元箱入りの現物を持ち込んだので、 一般に市販されていた UVニッコール 105mm F4.5と比べてみた。

UVニッコール 105mm F4.5の元箱付きフルセット

UVニッコール 105mm F4.5の専用付属品

トチギ UV 105mm F4.5のシンプルな元箱

勢揃いした UVニッコール 105mm F4.5

2023年 ニコン研究会

2020年 1月にパンデミックのニュースが全世界に流れた。 新型コロナウイルス感染症は社会現象となり、その影響は地球規模で甚大なものとなった。 ご承知の経験のとおり、なんとも不安な日々、月日が、さらに年のスケールで続くことになった。

2020年 2月から例会の開催を休止していたニコン研究会は、2023年 5月に例会を再開した。 3年ぶりの例会では、力学的エネルギー保存の法則を無視して臨界を超えたのか、 いきなり Nikon Rayfact MJ 90mm F4 が登場した。

2023年 5月例会

Nikon Rayfact MJ 90mm F4

続いて、2023年 6月の例会では、 Nikon Rayfact MJ 90mm F4 のFマウントモデルが、 ニコン Z 9 に装着された姿が披露された。 だんだんニコン研究会会員も、Nikon Rayfact レンズにたいする免疫ができたように思われる。

2023年 6月例会

Nikon Rayfact MJ 90mm F4

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 次は性能諸元です。   第 2 章    レンズデータ

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第 0 章      トップページ
第 1 章      Nikon Rayfact のこと
第 2 章      レンズデータ
第 3 章      Rayfact の使い方
第 4 章      ニコン Z 写真帖 1
第 5 章      ニコン Z 写真帖 2

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