EL Nikkor 150mm F5.6    3

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 3200   F8   1/500 sec.   +0.3

鳥見

EL ニッコール 150mm F5.6で鳥を見た。 カワセミにタンチョウヅルとか本格派鳥写真作家の方々は明るい巨大な超望遠レンズが標準装備だけど、 中途半端な 150ミリで地味に暗い工業用レンズで鳥を狙ってみた。 装備は以下のとおりカンタン。手持ちで軽く、取り回しが楽なのはよい。

EL ニッコール 150mm F5.6

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 1600   F8   1/400 sec.   +0.7

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 3200   F8   1/320 sec.   +0.7

鳥のサイズはみな同じに見えたが行動を見ていると親子だろう。 重量級の超大型三脚を設置して、Ai ズームニッコール ED 1200〜1700mm F5.6〜8P (IF) でも据えたら、 鳥も警戒してしまうだろうけど、 イージーでカジュアルなお気楽装備だと鳥は何も気にせず泳いでいる。 EL ニッコール 150mm F5.6は鳥にもよい。よく写る。

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 3200   F8   1/250 sec.   +0.7

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 3200   F8   1/500 sec.   +0.3

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 3200   F8   1/320 sec.   +0.3

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 1600   F8   1/320 sec.   +0.7

EL ニッコール 150mm F5.6

ニコン PB-4 ベローズにはニコン FTZマウントアダプター経由でゼットカメラを装着した。 ニコン FTZマウントアダプターは安心してニコン PB-4 ベローズに装着できる。 FTZマウントアダプターの電子接点にはまったく接触しないので、 ガリッと電子接点を破損したりとか、なんら影響を与えることはない。

午後の色温度

この季節のこの時間帯のこの色温度が好きなのである。 あたりここらで気配があり、ただただ美しい。 明治時代のような 2400ケルビンの午後の陰影。

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 1600   F8   1/4000 sec.   -0.7

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 3200   F8   1/2000 sec.   -1.3

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 800   F8   1/3200 sec.   -0.7

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 3200   F8   1/4000 sec.   -1.7

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 3200   F8   1/5000 sec.   -1.0

四季の重力

赤い花びらが散っていたので山茶花だろうか。 遠く海外は異国の裏道を歩くにも、国内は地方都市のひなびた国道を缶ビールを手に眺めるにも、 旅のしたくは軽い方がいい。 カメラバッグさえ持たずに写真するならば柔軟性のある軽量レンズが必要となる。 EL ニッコール 150mm F5.6 がいい。

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 3200   F8   1/2000 sec.   -1.0

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 1600   F8   1/5000 sec.   -1.7

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 1600   F8   1/5000 sec.   -1.0

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 800   F8   1/8000 sec.   -2.3

どっしりした重たい描写を狙って露出を詰めてみた。 ベンチの木肌。乾いた地面。背景の名もない草木。 EL ニッコール 150mm F5.6の得意な精密描写が際立つ。

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 3200   F8   1/1250 sec.   -0.7

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 3200   F8   1/6400 sec.   -0 +0

EL ニッコール 150mm F5.6

薄桜

そして季節は桜満開の段。 工業用ニッコールレンズ特有のやわらかい背景のぼけを活かしたいので、 ここは EL ニッコール 150mm F5.6の登場となった。

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 1600   F8   1/1000 sec.   -0.3

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 400   F8   1/200 sec.   +2.7

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 800   F8   1/250 sec.   +2.3

芳香を放つ沈丁花にかわり、花曇り桜のきせつは、ポエムまる出しの絵と暮らしたいものだ。 鋼鉄のようなデジタル描写もよいが、ひなあられのような淡い色調にあまい味がほしかった。 やまとは古代の伝統色がハイブリッドな光合成をして画像を生成した。 ソリッドな、薄桜(うすざくら)色、真朱(まそお)色に、背景に若苗色(わかなえいろ)が望む。 大正か昭和初期に見ていた日本エレガンスな景色に近い。 こういう劇場型の表現も EL ニッコール 150mm F5.6 の基本設計に入っているのは知っていた方がよい。

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 800   F8   1/250 sec.   +3.0

EL ニッコール 150mm F5.6

手持ちで軽く撮影するのもよし、ベローズ装置を三脚に乗せてじっくり被写体と対峙するのもよし。 非常に活用範囲の広いレンズである。とにかくよく写る。 さらには色彩表現はリッチで、可視光線下の周波数特性は極めてゴージャスだ。 もうこのレンズで十分いける。これでよい。

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