EL Nikkor 150mm F5.6    2

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 400   F8   1/80 sec.   +1.7

乙女椿

三歳児に、アポズミクロン 50mm F2.0 ASPH. 付きのライカ M11か、 Z ノクト 58mm F0.95付きとか Z プレナ 135mm F1.8付きのニコン Z 9 を持たせて、 好きなように写真を撮らせたらきっとこんな絵だ。 興味の対象を真ん中にもってくるだろう。それが正しい。写真的には日の丸構図。 もっともカンタンでもっともむずかしい。乙女椿は日の丸構図に限る。

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 400   F8   1/200 sec.   +0.3

EL ニッコール 150mm F5.6

撮影シーンはこのとおり。ピンク色の花がポツンと一輪だけ咲いていた。 なんとなく違和感をかんじて、EL ニッコール 150mm F5.6をニコン PB-4ベローズで伸ばして撮影してみた。 このくらい蛇腹を伸ばすとフルサイズの画面にちょうど収まる。

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 1600   F8   1/250 sec.   +1.7

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 1600   F8   1/500 sec.   +1.0

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 1600   F8   1/1250 sec.   +0.3

きりっとした凜な描写を求めて EL ニッコール 150mm F5.6をチョイスした。 さすがの演出力とパワーには驚いた。 やはり古いニッコールレンズは透明感があって感情豊かでよい。

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 800   F8   1/1000 sec.   +1.3

桜花

「湯上りの桜」というタイトルを与えられて、 カメラを持って花見に行く日曜写真家という設定で写真を撮ってみた。 このクラスの高性能レンズとなると、日本の湿度とか人情が映るから基本設計に入っているのだろう。 数値では表せないが眼には見える。

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 1600   F8   1/1250 sec.   +1.3

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 1600   F8   1/800 sec.   +0.3

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 1600   F8   1/1600 sec.   +1.7

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 1600   F8   1/1250 sec.   +1.3

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 1600   F8   1/3200 sec.   +3.0

EL ニッコール 150mm F5.6

この時の撮影スタイル。ベローズは使用していない。 レンズは先端だけで、あとは素通しのチューブなので実に軽い。 かなり軽快な簡単セットではあるが、叩き出される画像は重量感のある精密な描写である。

夏の終り

いつもの遠距離撮影用の定点撮影スポットに立ってみた。京王線多摩川橋梁。 EL ニッコール 150mm F5.6は実に素直でしゃきっとした精密描写が得意だ。 焦点距離が 150ミリともなると、引き伸し用レンズとしては業務用の範囲に入る。 もちろん撮影用のレンズとして使用することも設計要件に入っているわけだから、 いわゆる無限遠のレンジでも軽く仕事をこなす。

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 800   F8   1/8000 sec.   -0 +0

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 800   F8   1/8000 sec.   -0 +0

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 800   F8   1/2000 sec.   -0 +0

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 800   F8   1/1600 sec.   -0.7

夏の終りに定点撮影スポットに立った。雑木林のように勢いよく茂ったただの草木。 手入れがしていないのがよい。木々の葉っぱ一枚一枚が解像しているのが気持ちよい。 科学写真用レンズはこうでなければならない。考古学者だったら遺跡の調査記録におすすめだ。 見たままの映像記録が可能となる。

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 800   F8   1/1600 sec.   -0.7

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 800   F8   1/2500 sec.   -1.0

晩秋

柿を一個持って写真に出た。 ベローズは使用せずに、EL ニッコール 150mm F5.6をそのまま装着した。 いくつかの中間リングを入れて視野は自由となった。

EL ニッコール 150mm F5.6

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 800   F8   1/2000 sec.   +0.3

青空に銀杏が映える。この季節になると景色が変わるのが早い。 今日見た葉っぱは明日はどうなっているかわからない。 そんな時間の一瞬をカメラに収める。

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 800   F8   1/2000 sec.   -1.0

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 800   F8   1/5000 sec.   -1.0

この重厚な色彩と精緻な描写がたくましい。 画像をクリックして等倍で見ていただくとわかるが、極めてキレがよい。 高域・中域・低域としっかりとメリハリを感じながらも高い描写能力がある。 全体として非常に密度の濃いサウンドで「さすが」だと感じさせる。 EL ニッコール 150mm F5.6は普段使いの工業用ニッコールレンズである。

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 800   F8   1/2000 sec.   -0.7

EL Nikkor 150mm F5.6,   ASA 800   F8   1/1250 sec.   -0.7

EL ニッコール 150mm F5.6

散歩写真というわけにはいかないが、フィルムで写真を撮っていた頃のように、 慎重に構図をきめて気合を入れてシャッターレリーズしたい方には、 やはり三脚をセットし、ベローズ装置でいきたい。 レンズの重量はほかの工業用ニッコールにくらべると軽いので、 この装備でもきわめてフットワークがよい。

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 さらに写りをご覧ください。   第 3 章    ニコン Z 写真帖 2

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