EL Nikkor 75mm F4    2

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 200   F8   1/500 sec.   -0 +0

20年ぶりのファーストライト

紅葉山の高台に立つ東京タワー。 青空に朱色の鳥居は日本の様式美であって、 タワーは鋼鉄がリベットで組まれている巨大な鳥居なのである。

EL ニッコール 75mm F4 は典型的な 3群 4枚テッサー型のプチ望遠レンズである。 ブローニー判用なので、ハッセルブラッドのレンズを 35ミリ一眼レフカメラにマウントして、 イメージサークルのまんなかのいいとこだけ取り出したようで気分がいい。

EL Nikkor 75mm F4

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 100   F8   1/640 sec.   -0 +0

この重量感ある重たい写りはすごい。 ダイナミックに組まれた鉄の建造物。鮮烈な朱色。 線は太く、色乗りがよい、スピード感ある力強くアグレッシブな描写。 鉄を撮るには、EL ニッコール 75mm F4 に限る。

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 200   F8   1/400 sec.   +0.3

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 100   F8   1/400 sec.   -0 +0

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 200   F8   1/320 sec.   +0.7

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 200   F8   1/640 sec.   +0.7

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 200   F8   1/400 sec.   +0.7

夏景色

七月に撮影した。真夏日である。空気は乾燥している。 無限遠と言うには無理があるが、それでも 600メートル先のひかくてき遠距離にあるターゲットにレンズを向けた。 京王線多摩川橋梁。近似値無限遠のいつものテスト撮影スポットに立った。

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 200   F8   1/1250 sec.   +0.7

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 200   F8   1/1250 sec.   +0.7

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 200   F8   1/2000 sec.   -0.3

鉄橋上で上下線がすれ違うシーンに遭遇した。 ことの始りから終わりまで連写して記録したが、これはその 1枚。

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 200   F8   1/1000 sec.   +0.7

このシーンも同じく鉄橋上で上下線がすれ違うところ。 2本並んで走っているように写っているが、実際は右と左に別れていく走行音が耳に残った。

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 200   F8   1/500 sec.   +0.3

日本のアニメーション映画に出てくるような、なんでもない土手に草っぱらの風景。 あともう 1/3段程度露出を明るくすると、いま風のカメラ女子的な作品になりそうな雰囲気。 風を切るウインドノイズが夏涼しい。

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 200   F8   1/1000 sec.   +0.7

EL Nikkor 75mm F4

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 200   F8   1/800 sec.   -0.7

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 200   F8   1/2000 sec.   -0 +0

EL ニッコール 75mm F4 は、重たい精密描写が得意なようだ。 ハウスの壁の質感とか、鉄錆の風情、立ちのぼる夏の暑い空気感が写っている。

ドクターイエロー

十一月のこと。京王線のドクターイエローと遭遇した。 4両編成。前後に先頭が黄色く塗られた車両。 DAX 総合高速検測車と書かれた車両と重機等貨物運搬用の無蓋貨車をはさんでいる。 なんだかヘンな電車が来たなと、連写で追ってみた。

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 800   F8   1/8000 sec.   -0.3

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 800   F8   1/8000 sec.   -0.3

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 800   F8   1/8000 sec.   -0.3

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 800   F8   1/8000 sec.   -0.3

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 800   F8   1/8000 sec.   -0.3

晩秋

多摩川をカヌーが走る。水面のブルーが晩秋の気配を吸収して色濃い。 コダクローム 64 のような重厚な色彩が展開されている落ち葉に枯葉。

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 800   F11   1/6400 sec.   -0 +0

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 800   F11   1/8000 sec.   -0.3

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 800   F8   1/2000 sec.   -0.7

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 800   F8   1/2500 sec.   -0.7

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 800   F8   1/1600 sec.   -0.3

EL Nikkor 75mm F4

八重桜四月

そしてきせつはめぐる。もともと接写には強いレンズである。 逆光の耐性にも優れているので、こんな光線をまるごと取り込んだような絵でも高性能を発揮する。 ゆるいなごみの情況では、EL ニッコール 75mm F4 の描写はどこまでもやさしい。 鋼鉄とリベットの描写とはあきらかに違う。

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 800   F8   1/1000 sec.   +1.3

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 800   F8   1/800 sec.   +2.0

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 800   F8   1/800 sec.   +1.0

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 800   F8   1/1250 sec.   -0 +0

EL Nikkor 75mm F4

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 800   F8   1/1600 sec.   -0.3

EL Nikkor 75mm F4

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 800   F8   1/8000 sec.   -0 +0

鋼鉄とリベット

線が細くて繊細な描写とか、諧調豊かなやはらかいボケなど、およびでない世界がある。 どこまでもウルトラシャープで、印画紙でいえば月光 V4 か V5 の硬派なやせ我慢でいきたい。 鋼鉄とリベットを撮るなら、EL ニッコール 75mm F4 とむかしから決まっているのだ。

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 200   F8   1/1600 sec.   -0.3

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 200   F8   1/1250 sec.   -0.7

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 100   F8   1/500 sec.   -0.3

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 200   F8   1/1250 sec.   -0.3

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 200   F8   1/1250 sec.   -0 +0

EL Nikkor 75mm F4,   ASA 400   F8   1/2500 sec.   -0.7

EL ニッコール 75mm F4

レンズ構成はシンプルな 3群4枚のテッサー型。 重量たった 73グラムのライカL39スクリューマウントレンズ。 焦点距離 75ミリは街歩きでも軽快でとても使いやすい。

EL Nikkor 75mm F4

EL Nikkor 75mm F4

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