EL Nikkor 50mm F2.8    2

EL Nikkor 50mm F2.8,   ASA 400   F8   1/640 sec.   -0.7

ニコン Z 写真帖

使用レンズは EL ニッコール 50mm F2.8。 ニコン Z 6 にマウントアダプター(L39 to Nikon Z)を介して装着。 そのままだとオーバーインフなので、 エルニッコール専用のエクステンションリングを入れて無限遠を出した。

EL ニッコール 50mm F2.8

EL ニッコール 50mm F2.8 のフィルター径は 40.5mm P=0.5 なので、 ニコン 1 シリーズ用の HN-N103 フードを着けた。

撮影は絞り優先オートであとはカメラに任せた。 感度設定、レンズの絞り値、シャッター速度、露出補正値を示す。 原板は Jpegの撮って出しで加工は一切していない。 すべての画像は、画像上でクリックするとオリジナルサイズの画像を表示する。

高精細な秋色記録

写真引き伸し用のレンズは暗室でしか使われない。 しかも投影レンズである。 そのため、野外で写真撮影に使うには、レンズフードは必須だと思っている。 もちろんフード無しでも撮影ができるが、 ヌケの良いキリリと締まった映像を望むならば、 レンズフードで余計な外光やら迷光を遮ることをおすすめする。

EL Nikkor 50mm F2.8,   ASA 400   F8   1/800 sec.   -0.3

EL Nikkor 50mm F2.8,   ASA 400   F8   1/800 sec.   -0.7

EL Nikkor 50mm F2.8,   ASA 400   F8   1/500 sec.   -0.7

EL Nikkor 50mm F2.8,   ASA 400   F8   1/640 sec.   -0.7

撮りたかったのはこの乾燥した枯葉のカサッとした感触だ。 画像をクリックして等倍で見ていただくとわかるが、 やはりこういった絵は精密描写ができるレンズでないと意図が伝わらない。 忠実にそのまま写ることが重要なのである。それだけで良い。

EL Nikkor 50mm F2.8,   ASA 400   F8   1/400 sec.   -1.0

青い多摩川

このレンズではよくニコンの一眼レフカメラに装着して遊んだものだ。 しかし長い間、無限遠は出せずに接写ばかりだった。 ところがフルサイズミラーレス機ニコン Z の登場により、 あっけなく無限遠がさくっと出せるようようになった。 今まで無限遠が出せなかった反動から、 約 600メートル先の景観ではあるが遠い被写体にレンズを向けた。

EL Nikkor 50mm F2.8,   ASA 400   F8   1/3200 sec.   -0 +0

EL Nikkor 50mm F2.8,   ASA 400   F8   1/3200 sec.   -0 +0

EL Nikkor 50mm F2.8,   ASA 400   F8   1/4000 sec.   -0.3

EL Nikkor 50mm F2.8,   ASA 400   F8   1/4000 sec.   -0.3

EL Nikkor 50mm F2.8,   ASA 400   F8   1/4000 sec.   -0.3

月下独酌

絞り F8にて撮影。 夜空だしほぼ無限遠なので絞り開放 F2.8でもよかったかもしれない。 月にピントを合わせた。 ファインダーの拡大表示機能によりピント合わせが正確にできる。 木星と金星も写っている。昨日だったらさらに左上に土星が並んだらしい。

EL Nikkor 50mm F2.8,   ASA 6400   F8   1/10 sec.   +1.0

EL Nikkor 50mm F2.8,   ASA 6400   F8   1/25 sec.   -0.7

EL Nikkor 50mm F2.8,   ASA 6400   F8   1/30 sec.   -1.0

EL Nikkor 50mm F2.8,   ASA 6400   F8   1/30 sec.   -1.0

精密レンズ作法

この簡単な装備で無限遠から近接撮影まで可能だ。 Pixcoの M42-Nikon Z Ultra-slim Adapter (Macro) は非常に薄いマウントアダプターなので、 M42ヘリコイドを入れても楽々と無限遠が出せる。 画像の状態で無限遠。オーバーインフではあるが特に問題はない。 すこしヘリコイドを繰り出せばよい。

EL ニッコール 50mm F2.8

万緑の中で

五月初夏。 このきせつの樹木の葉っぱの絵を撮るには解像力に優れた高精細レンズを使いいたい。 そんな時には EL ニッコール 50mm F2.8 が良い。 ヒトの眼では緑色か 546.074nmのスペクトル線 e線に近似な波長とガラスの相性がよいのか、 思い浮かべた記憶の緑色が写った。 実物の色彩よりも記憶の中の色彩表現を優先したい。

EL Nikkor 50mm F2.8,   ASA 400   F8   1/640 sec.   -0.3

EL Nikkor 50mm F2.8,   ASA 400   F8   1/125 sec.   -0 +0

EL Nikkor 50mm F2.8,   ASA 400   F8   1/400 sec.   -1.0

大正時代の葉っぱの色を再現してみた。島村抱月が大正二年に見ていた草木の陰影。 おそらくは標準露出より 1段と 1/3絞ったはずだ。 これ以上だと希望が見えない。終焉に向かう自然主義文学者はギリギリの波長で風景を見ている。

EL Nikkor 50mm F2.8,   ASA 400   F8   1/500 sec.   -1.3

風の通り道

カメラバッグにするつもりで、ブリキ製の胴乱(どうらん)を探したことがあった。 緑色のペンキで塗られ、布製の肩掛けベルトに限る。 牧野富太郎博士が愛用していたあのスタイルだ。 しかし写真撮影用のレンズを入れるにはちょっと板金まる出し感があって難がある。 そんなことを考えながら、EL ニッコール 50mm F2.8 で撮影した。

EL Nikkor 50mm F2.8,   ASA 1600   F8   1/500 sec.   -1.0

EL Nikkor 50mm F2.8,   ASA 1600   F8   1/800 sec.   -0.3

強風になびく草木を見ているとその生命力を写真したくなる。 EL ニッコール 50mm F2.8 のおかげで風の通り道が精密に描写できた。

EL Nikkor 50mm F2.8,   ASA 1600   F8   1/640 sec.   -0.3

EL Nikkor 50mm F2.8,   ASA 1600   F8   1/500 sec.   -0.7

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 さらに実写の写りを。   第 3 章    ニコン Z 写真帖 2

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