November 2024, Nikon Kenkyukai     4

F高速

高速モータードライブ

ニコンF・ハイスピード・モータードライブ・カメラ

ニコンF高速(1972年 サッポロモデル、7 fps)。 レンズは東京光学が開発した世界初のトプコール 300mm F2.8(Fマウント用)。 ミラーロックアップして高速撮影するため、 135/180/200/300mm 画角のクリップオン型可変ファインダー(ポロプリズム単眼鏡)を使用します。 モーターは単三電池(AA 1.5V)×16本=24Vが定格です。

F36 なんだか特殊な機体

なにかおかしい

あまり気にしないことにしよう

F2 DATA フォトミック AS、F2H、F高速

ニコンF高速モータードライブの世界

ニコンF高速モータードライブカメラは、 1972年の札幌冬季オリンピックのために開発された毎秒 7コマのモデルが最初です。 しかし毎秒 7コマの最高速で使う場合は、ミラーアップが必要であり、 専用のクリップオンタイプのファインダースコープ(ポロプリズム単眼鏡)を装着していました。

ミラーアップをせず一眼レフの特徴を活かして撮影できないか、もっと高速にできないか。 この課題に取り組んだのが、半透明ミラーを使用した毎秒 9コマのモデルです。 透過率 65%、反射率 35%の高性能極薄ガラスハーフミラーが固定されています。 ファインダーはブラックアウトせず、一眼レフの特徴を活かして撮影に専念できます。 このカメラは、1976年のモントリオールオリンピックで使用され、 数々の競技の撮影に威力を発揮しました。

本日のミーティングでは毎秒 9コマのモデル(9 fps 機)の現物が持ち込まれましたが、 写真撮影を失念してしまったため、前に撮影した時の画像を以下の紹介します。

稀少なニコンFコウソクモータードライブ元箱

モーター付き特殊ニコンFボデイと直流電源パック

直流電源ケーブルは太くてごつい

半透明固定式ハーフミラー

封印されているミラーアップ機構

アルミ板削り出しの電池ケースには単三電池 4本を 4セット収納

ニコンF高速モータードライブの販売台数

ニコンF高速モータードライブの販売台数について調べてみました。 1991年 7月にニコン本社で確認された信頼できる数値です。

7 fps 機、7 コマモデル(毎秒 7コマ)  54台
9 fps 機、9 コマモデル(毎秒 9コマ)  34台

ちなみに、ニコン F2 高速モータードライブ(F2H)の販売台数は、501台です。 製造シリアル番号は、7850001〜7850557 とのこと。

販売台数の数字の根拠(情報の出所)は、海外のユーザーからの問合せにたいして、 ニコン本社(東京・丸の内)が回答したレターによります。 レターの日付は、1991年 7月15日。 回答者である、A. Sato氏(企画部ゼネラルマネージャー)、 F. Takahashi氏(同マネージャー)の署名が入っています。

いずれにしても、本日テーブルの上に置かれた 2台のニコンF高速モータードライブ 7 fps 機(毎秒 7コマ機)は、 たった 54台しか販売されなかった特殊な機体ということです。

ニコンF2高速モータードライブカメラ

1978年。報道機関向けの特殊用途機。 半透明固定式ハーフミラーを採用し、専用モータードライブ 「MD-100」によって秒間最速 10コマ(10 fps)の高速連続撮影が可能。

いまだに、校正がきちんと機能していない会社から発行されたいムック本とか、 信頼できないネット上の情報、さらには有名カメラ店の入荷案内ですら、 ペリクルミラー採用と説明されていますが、ハーフミラーの誤りです。 ハーフミラーとペリクルミラーは構造から言ってまったく別物ですので、言及する場合は注意しましょう。

F2H と F2 DATA フォトミク AS

F2H

F3P 250 と F2 チタン

F2 250 と F2H

ニコン密度が高すぎる風景

F2H、F2 DATA フォトミック AS そして F2H

F2 DATA 実写サンプル

フィルム画面の左側に年月日、時刻、メモが写し込まれているのがわかります。 時刻は手巻きゼンマイ機械式のアナログ時計を使用。 時計の文字盤を照明で照らして、フィルムに焼き付けるわけです。 メモは小さいメモホルダーに鉛筆で手書きして挿入する方式。 なんとも力業で機能を実現していてすごいのです。

F3 NASA

だれこれ。こういう危険物をしらっと置かれては困りますね。 NASA U.S. GOVT. PROP. 識別タグ付き。

AF Zoom Nikkor 28-100mm F3.5-5.6G シルバー

F3P+MF-4(250枚撮りフィルムバック)と MF-17(データバック)

ニコンF・ハイスピード・モータドライブ・カメラ 7 fps 機

ファインダースコープ(ポロプリズム単眼鏡)

元祖サンニッパ

ニコン F3 ハイスピード(F3H)もいた!

ご先祖様のニコンF高速、兄貴分のニコンF2高速モータードライブカメラに囲まれて、 最高速度機ニコン F3 ハイスピードモータードライブカメラ(F3H)がおとなしく座っていました。 限定受注生産品。製品カタログの檄文が素晴らしい。

ニコンF3Hは、半透明固定式ハーフミラーを採用し、 高速モータードライブ MD-4H と組み合わせて使用することによって、 最高約 13コマ/秒(13 fps)の高速連続撮影が可能なカメラです。 信頼性、耐久性、操作性のトータルバランスの高さは、 従来のF3シリーズの高水準を継承。 と宣言されています。

F2H + Ai ニッコール ED 200mm F2S (IF)

Nikon MD-100 と Nikon MB-100 の美しい後ろ姿

モータードライブ・サウンド

本日のミーティングでは、ニコン F 250 には長尺フィルム、F2H には 36枚撮りフィルムが実際に装填されて、 力強くフィルムを牽引する重量級サウンドが会場に鳴り響きました。 ニコンF2高速モータードライブカメラ(F2H)の実写動画を見ていただきましょう。 10 fps 機ですので、36枚撮りフィルムを約 4秒で撮り切ります。 高速回転するフィルム巻き戻しクランクの動きに注目してください。 F2Hに実際にフィルムを装填しての実写の様子は、全世界初公開の動画となります。

F2H 10fps 撮影時(mp4 形式、6.8MB)

F2H フィルム巻き戻し時(mp4 形式、6.6MB)

Nikon MD-100 と Nikon MB-100

F2H が 2台

F2Hのシャッターダイヤルに注目(T、B、1/2000が無い)

それにしても壮絶な風景

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 では次にいきます。   第 5 章  反省会

ショートカットはこちらからです。

第 0 章      トップページ
第 1 章      プレゼンテーション・セッション
第 2 章      最初期型ニコンFとアニター
第 3 章      ニコンF2チタン祭り
第 4 章      ニコン高速モータードライブ
第 5 章      反省会

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