EL Nikkor 75mm F4N    3

EL Nikkor 75mm F4N,   ASA 400   F8   1/800 sec.   +0.7

好日

EL ニッコール 75mm F4N は、明るい高速レンズではない。 しかしキラキラと煌めくレンズは日々の暮しを豊かにしてくれる。

セルリアンブルーの空が見えたので EL ニッコール 75mm F4N の登場となった。 盛大にもえる若葉の透過光に生命感。日本の情緒的な色彩と浮遊感が表現できた。

EL Nikkor 75mm F4N,   ASA 400   F8   1/500 sec.   +1.3

EL ニッコール 75mm F4N

M42ヘリコイドを入れている。 ニコン製 40.5ミリ NCフィルターの先には 52ミリへのステップアップリング。 Ai マイクロニッコール 105mm F2.8S に付いていたレンズフード HS-14。 これだけだ。簡単シンプル軽みの装備でも写真は写る。

EL Nikkor 75mm F4N,   ASA 400   F8   1/2000 sec.   -0.7

ただのそこらの原っぱ。だから何だと言われそうな主題がみえない絵のようだ。 良く解像する、よく写るレンズなので気分がよい。

EL Nikkor 75mm F4N,   ASA 400   F8   1/2000 sec.   -0.7

EL Nikkor 75mm F4N,   ASA 400   F8   1/1250 sec.   -0.3

桜花の最盛期を過ぎ、葉桜にポツンと残った遅咲き最後の花。空の色がよい。 誰も写真にしないシーンではあるが、季節の健康的ないきおい感が健気である。

EL Nikkor 75mm F4N,   ASA 400   F8   1/2000 sec.   -0.7

いつもの解像力チェックの定点ポイントに立つ。 立体チャート。葉っぱ 1枚 1枚の解像具合をみる。 原音が忠実に記録されている。科学写真の見本を示す高性能レンズ。

EL Nikkor 75mm F4N,   ASA 400   F8   1/2000 sec.   -1.0

EL ニッコール 75mm F4N

石段のむこう

EL Nikkor 75mm F4N は、昭和の日本映画のようなシーンをパワフルに叩き出す。 夏雲が空を走る。乾いた風がやさしい。

EL Nikkor 75mm F4N,   ASA 1600   F8   1/3200 sec.   -1.7

空気の重量感。気配の写り込み。人の記憶が動いている。 さらりと心情描写するレンズは貴重だ。 ジブリのアニメのような日中の陰影に寄り添ってみた。

EL Nikkor 75mm F4N,   ASA 400   F8   1/5000 sec.   -0 +0

EL Nikkor 75mm F4N,   ASA 200   F8   1/1600 sec.   -0 +0

川風涼し。こんな名前のない風景は日本中どこにでもあるのだろう。 約 600メートル遠距離の解像力テスト用の標本。鉄橋を渡る音とセットになっている。

EL Nikkor 75mm F4N,   ASA 200   F8   1/1600 sec.   -0 +0

EL Nikkor 75mm F4N,   ASA 200   F8   1/1600 sec.   -0 +0

夏もよう

このレンズは自然色の再現性に優れている。 ホンモノの芸術写真家はヒトの視覚とかけ離れた不自然なド派手描写を必要としない。 原音の再現性に忠実であること。 写真家が信念を持っているならばレンズは期待を裏切らない。

EL Nikkor 75mm F4N,   ASA 400   F8   1/2500 sec.   -1.0

生垣の葉っぱ 1枚 1枚が幸福だ。 精密に映像を記録したければ、レンズは EL ニッコールがよい。 温度に気配までダイナミックに写し込む。

EL Nikkor 75mm F4N,   ASA 800   F8   1/250 sec.   -0 +0

EL Nikkor 75mm F4N,   ASA 400   F8   1/1250 sec.   -0.3

EL ニッコール 75mm F4N

EL Nikkor 75mm F4N,   ASA 200   F8   1/1600 sec.   +0.7

62コマ撮影が進んで気が付いた。 いつもは Nシリーズの EL ニッコールを撮影に使う場合は、 レンズ鏡胴の絞り値を表示する窓を遮光していた。 上の画像はうっかり黒パーマセルテープを貼らずに撮影したものである。 漏光があるようには見えない。

EL Nikkor 75mm F4N,   ASA 200   F8   1/1600 sec.   +0.7

EL Nikkor 75mm F4N,   ASA 200   F8   1/2000 sec.   +0.3

EL Nikkor 75mm F4N,   ASA 200   F8   1/1600 sec.   +0.7

撮影は八月上旬。盛夏の乾いた風音。雲が走る。空はあお。河川敷はみどり。 気分爽快。これだけ写ればよし。 新橋の喫茶店は昭和のみどり色したソーダ水が似合う。 ロンドンドライジンでジントニック。47.3度のゴードンかタンカレーでお願いします。

川音

EL Nikkor 75mm F4Nは正確な感情描写に優れている。 人間に必要なレンズは 1本だけだ。川渡る風の音を聞け。

EL Nikkor 75mm F4N,   ASA 400   F8   1/1600 sec.   +0.3

九月の夏。一か月が経過するとこれだけ空気感が変わる。 風に流れる小さいボートに乗っているような気分。 そんなに急いで前に出なくても問題無し。 気が付いたら後に下がっているくらいでちょうどよい。 その先でみなそれぞれの生活がある。

EL Nikkor 75mm F4N,   ASA 400   F8   1/4000 sec.   -0 +0

EL Nikkor 75mm F4N,   ASA 400   F8   1/4000 sec.   -0 +0

稲穂の香り

いつもの解像力チェック。近接撮影評価定点ポイントの前に立つ。 標本は立体チャート。お米の 1粒 1粒の解像具合。光の輝き表現も重要。 このきせつの稲穂の香りが好き。

EL Nikkor 75mm F4N,   ASA 400   F8   1/500 sec.   +0.7

EL Nikkor 75mm F4N,   ASA 400   F8   1/1000 sec.   +0.7

EL ニッコール 75mm F4N

新宿

十一月下旬の新宿。建造物の硬質な質感表現も得意とするレンズ。 みな同じビルが立ち並ぶこの横丁界隈で、いまでも目立つ新宿繭(まゆ)ビル。

EL Nikkor 75mm F4N の立ち位置は、お手頃価格のエントリーレベルの引き伸しレンズだった。 しかしながら、この 1本のレンズでお花から建造物、そしてストイックな山岳写真、 さらには時代錯誤を超越した若気の至りのフォトポエムまで撮影できる。

EL Nikkor 75mm F4N,   ASA 200   F8   1/1600 sec.   -0.3

EL Nikkor 75mm F4N,   ASA 200   F8   1/1250 sec.   -0 +0

私がめざすのは、旦那芸のサロン写真。 まだ入口にも立っていないが、何も目新しい必要もない。 さらに目古しい写真を求めてこれからだ。

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