EL Nikkor 50mm F4N    2

EL Nikkor 50mm F4N,   ASA 400   F8   1/1250 sec.   -1.0

ニコン Z 写真帖

EL ニッコール 50mm F4N の写りを見ていただきたい。 ニコン Z 6 に市販のマウントアダプターを介して装着し、絞り優先オートで撮影した。 感度設定、レンズの絞り値、シャッター速度、露出補正値を示す。 原板は Jpegの撮って出しで加工は一切していない。 すべての画像は、画像上でクリックするとオリジナルサイズの画像を表示する。

EL Nikkor 50mm F4N,   ASA 200   F8   1/800 sec.   -0.3

盛夏まる出し。セミの音声が力強い。太陽光線もさらに本気で強い。 こんなきせつには 3群4枚のレンズにも気合が入って、 運動エネルギー全開の絵を叩き出す。

EL Nikkor 50mm F4N,   ASA 200   F8   1/800 sec.   -0.3

EL Nikkor 50mm F4N

そば処「白川郷」。大きな合掌造り 1階の大広間。 夏の風が涼しく抜ける。軽くもりそばで一休み。 なにも EL Nikkor 50mm F4N で撮影するようなシーンではないが、 日本の飾らない日常には似合う。

EL Nikkor 50mm F4N,   ASA 1600   F8   1/40 sec.   +1.0

EL Nikkor 50mm F4N,   ASA 200   F8   1/500 sec.   -0 +0

EL Nikkor 50mm F4N,   ASA 200   F8   1/320 sec.   -0 +0

小学生の遠足集団だろうか。おそろいの白い夏帽子が季語になってゐる。 日常の一般空間での人物を含む撮影には気を使う昨今ではあるが、ロングな画像なのでよしとしよう。 こんなスナップショットには、EL Nikkor 50mm F4N がよい。 そもそもたった 80グラムにも満たない小さく俳句みたいな軽みのレンズなので、圧がまったくない。

稲刈り近し

定番の被写体である。日本国はお米でできている。豊作はうれしい。 稲の姿を拝み、お米の一粒一粒がきちんと美人とイケメンに映るように、会話を重ねた。

EL Nikkor 50mm F4N,   ASA 400   F8   1/640 sec.   -0.7

EL Nikkor 50mm F4N,   ASA 200   F8   1/400 sec.   +0.7

EL Nikkor 50mm F4N,   ASA 200   F8   1/800 sec.   -0 +0

里山は秋

貞享四年の江戸時代。そして昭和バブルの時代であっても、日本には四季があった。 しかしながら令和時代の昨今では、異常気象との仕切りのもとに、 なにやら夏からイッキに冬になるという論調があるが、 ならばと、大正二年の林 古渓先生に聞けば、まだ日本には四季があると言う。 自分の眼で見よ。そこにススキがあれば秋の装置である。 と言われた気がした。里山は秋。

EL Nikkor 50mm F4N,   ASA 400   F8   1/640 sec.   -0.3

EL Nikkor 50mm F4N,   ASA 400   F8   1/1600 sec.   -1.0

EL Nikkor 50mm F4N,   ASA 800   F8   1/1000 sec.   -0 +0

EL Nikkor 50mm F4N,   ASA 800   F8   1/640 sec.   -0 +0

EL Nikkor 50mm F4N,   ASA 800   F8   1/640 sec.   -0 +0

EL Nikkor 50mm F4N,   ASA 200   F8   1/800 sec.   -0.3

なんだかんだ言っても、産業用ニッコールレンズの枠組みである EL ニッコールは日本の風景に強い。 地味な古民家であっても、寄り添う光学性能のやさしさとおもいやりをかんじる。

時は1980年代。40数年前。 EL ニッコール 50mm F4N のレンズ設計者は、写真引き伸しのほんらいの用途が途絶えても、 将来の写真装置(デジタル写真機、量子もつれ写真機)で生き延び活躍してほしいとの、 願いを込めて設計していたことがわかった。

多摩川慕情

河川改修改良工事の多摩川。 工事現場はダイナミックで現代アートのような色彩と造形を構成していた。 おもわず、EL Nikkor 50mm F4N で記録写真してしまつた。 使用したレンズのネィティブな特性なのか、シャープな情況写真となった。

EL Nikkor 50mm F4N,   ASA 400   F8   1/2500 sec.   -0 +0

EL Nikkor 50mm F4N,   ASA 400   F8   1/2500 sec.   -0 +0

EL Nikkor 50mm F4N,   ASA 400   F8   1/2500 sec.   -0 +0

EL Nikkor 50mm F4N,   ASA 200   F8   1/2000 sec.   -0 +0

EL Nikkor 50mm F4N

秋の色彩

学術記録のようなシャープな絵がほしかった。 ここは、EL ニッコール 50mm F4N でいこう。 木の葉の一枚一枚がまるで写真のような正確さで描かれている。 1970年代のデイライトの低感度リバーサルフィルムで撮影したような、 華やかでエレガントな色合いの映像が見えてきた。

EL Nikkor 50mm F4N,   ASA 500   F8   1/640 sec.   +1.3

EL Nikkor 50mm F4N,   ASA 800   F8   1/3200 sec.   -0 +0

EL Nikkor 50mm F4N,   ASA 800   F8   1/2000 sec.   -0.3

狙いはこの豊かでどしりと濃い色彩だ。 肉眼分光計を使って分析にしてみると、落ち葉の集合には、 黄朽葉色、深緋、菜種油色、そして団十郎茶の成分が読み取れる。 EL ニッコール 50mm F4N の描写には、精密かつ鮮鋭ながら、 どこか和む情緒をかんじる。

EL Nikkor 50mm F4N,   ASA 800   F8   1/2000 sec.   -0.3

EL Nikkor 50mm F4N,   ASA 800   F8   1/640 sec.   +1.0

EL Nikkor 50mm F4N,   ASA 800   F8   1/400 sec.   +0.3

銀杏

朝に夕にと、めっきり冷気に気がつけば、銀杏の木が銀杏色になってきた。 北風に山茶花の花びらが赤く乾いて散らばっている。 日本。晩秋から冬の入口の色温度。

EL Nikkor 50mm F4N

EL Nikkor 50mm F4N,   ASA 200   F8   1/500 sec.   -0 +0

EL Nikkor 50mm F4N,   ASA 200   F8   1/320 sec.   -0.3

EL Nikkor 50mm F4N,   ASA 800   F8   1/500 sec.   -0 +0

EL Nikkor 50mm F4N,   ASA 400   F8   1/800 sec.   -0.3

EL Nikkor 50mm F4N,   ASA 400   F8   1/2500 sec.   -1.3

EL Nikkor 50mm F4N,   ASA 400   F8   1/800 sec.   -0.3

EL ニッコール 50mm F4N

迫力ある写真を撮りたいなら、ELニッコール50mm F4N レンズを選ぶしかないだろう。 小さなレンズながら叩き出す絵は力強い。 被写体によってはきわめてやわらかい描写で優しい。 時にはいつもの日常が現代詩になる。

EL Nikkor 50mm F4N

EL Nikkor 50mm F4N

EL Nikkor 50mm F4N

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 では次にいきます。   第 3 章    ニコン Z 写真帖 2

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第 3 章      ニコン Z 写真帖 2

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