EL ニッコール 50mm F4 ● ニコン Z 写真帖 使用レンズは EL ニッコール 50mm F4。 ニコン Z 6 にマウントアダプター(L39 to Nikon Z)を介して装着。 そのままだとオーバーインフなので、 エルニッコール専用のエクステンションリングを入れて無限遠を出した。
EL ニッコール 50mm F4 EL ニッコール 50mm F4 のフィルター径は 34.5mm P=0.5 なので、 特注品ワンオフの 34.5 - 40.5mm ステップアップリングで 40.5mm径に変換。 ニコン 1 シリーズ用の HN-N102 フードを着けた。 撮影は絞り優先オートであとはカメラに任せた。 感度設定、レンズの絞り値、シャッター速度、露出補正値を示す。 原板はJpegの撮って出しで加工は一切していない。 すべての画像は、画像上でクリックするとオリジナルサイズの画像を表示する。 ● 無限遠の夏 長い間、無限遠を出せないレンズだったが、 フルサイズミラーレス機ニコン Z の登場により、 あっけなく無限遠が出せるようようになった。 今まで無限遠が出せなかった反動から、約600メートル先の景観ではあるが、 遠距離の被写体にレンズを向けた。
EL Nikkor 50mm F4, ASA 400 F8 1/2500 sec. +0.7 爽やかな夏の空気感を絵にしたかった。 色彩はニュートラルで絵が安定している。 これだけ写れば私は十分だ。 爽快感まる出しのヌケの良いアガリが好きなのである。 グラム単位で軽量化を目指す山岳写真家ならば、 たった 57.5グラムの軽くて高性能の EL ニッコール 50mm F4 が 1本あれば、 すべてこと足りてしまう。開放 F値が F4だけどまったく問題ない。
EL Nikkor 50mm F4, ASA 400 F8 1/2500 sec. +0.7
EL Nikkor 50mm F4, ASA 400 F8 1/2500 sec. +0.7
EL Nikkor 50mm F4, ASA 400 F8 1/1600 sec. +0.3 スコーンとヌケの良いアガリがこのレンズの特徴だ。 3群4枚のシンプルなレンズではあるが、 基本性能が優れているので実に気分のよい絵が出てくる。 ● 重たい夏空 露出をすこし詰めると、ドラマチックでダイナミックな重たい絵となる。 小さくて軽い EL ニッコール 50mm F4 の優れたポテンシャルとパワーには驚いてしまう。
EL Nikkor 50mm F4, ASA 400 F8 1/6400 sec. -0.7
EL Nikkor 50mm F4, ASA 400 F8 1/6400 sec. -0.7 意図したわけではないが情況が写ってしまった。 映像だけではあるのに、音が聴こえる。風が通るかんじがする。 エルニッコールで最もチープなレンズの写りがこれだ。 チープなレンズとは失礼な。 当時の価格が安かったレンズという意味で、性能はまた別の話である。 線の太い力強い描写だ。 万年筆で言えばモンブラン 149の BBで俳句している姿に近い。 インクはペリカンのブルーブラックだ。
EL Nikkor 50mm F4, ASA 400 F8 1/6400 sec. -0.7
EL Nikkor 50mm F4, ASA 400 F8 1/5000 sec. -0.7 都市に潜むシリアスな写真作家ならば、EL ニッコール 50mm F4 一本で作品作りに挑んでほしい。 レンズに絞りがあるだけでもありがたい。あとは何もいらないはずだ。 ● 八重桜純情 お花の近接撮影用の支度である。 マウントアダプターとレンズの間に、すこし長めの中間リング、 ここでは富士フイルム製の引き伸しレンズ用の中間リングを入れた。 レンズには市販品の 40.5 - 52mm ステップアップリングを重ねて、52mm径を確保。 Ai マイクロニッコール 105mm F2.8S に付いていた深い HS-14 を装着した。 近接撮影だとまったくケラレはない。周囲の余計な光線を遮るので絵がよく締まる。
EL ニッコール 50mm F4
EL Nikkor 50mm F4, ASA 1600 F8 1/800 sec. +1.7 接写というほどではない近接撮影のアガリ。 マイクロコントラスト特性が優れている。色彩の再現性もよい。 これだけ写れば私は十分だ。
EL Nikkor 50mm F4, ASA 800 F8 1/500 sec. +2.0
EL Nikkor 50mm F4, ASA 1600 F8 1/1600 sec. +1.3
EL Nikkor 50mm F4, ASA 1600 F8 1/640 sec. +2.0 ゴージャスで華麗な写り。透明感もある。 絞りを 2段絞って F8 にして撮影したが、作品作りを目指す方ならば、開放の F4 でもよいと思う。 ● そこらの草木 緑色と黄色の発色はどうだろうか。 往年のリバーサルフィルム、コダクローム64のようなアガリである。 新鮮で濁りが無い。健康的な写りが見て取れる。
EL Nikkor 50mm F4, ASA 1600 F8 1/2500 sec. -0 +0
EL Nikkor 50mm F4, ASA 1600 F8 1/4000 sec. -0.7 山吹色。植物図鑑のような標本に忠実な色再現性。 高山植物の群生はこのレンズ一本で十分撮れる。 たった 57.5グラムの超軽量・高性能レンズ。山岳写真家の友となる。
EL Nikkor 50mm F4, ASA 1600 F8 1/2000 sec. -0.3
EL Nikkor 50mm F4, ASA 1600 F8 1/2000 sec. -0 +0 そもそも引き伸し用レンズはタングステンランプの光しか見てきていない。 豊かな波長で合成された太陽光は、引き伸し用レンズを覚醒させる。 なにげないそこらの草木も喜々として瑞々しく写っている。 これだけ写れば私は十分だ。 ● ちびフードでキめる EL ニッコール 50mm F4 のフィルター径は 34.5mmだ。 マウンテンニッコール 10.5cm F4 の専用フードが似合う。 すこし深すぎるかと思ったが、実際にこのちびフードを装着した状態でテーブル上の近接撮影、 数メートル先と遠距離を撮影してみたがフードによるケラレは無い。 以下に示す 4枚のアガリの通り、すっきり締まった絵が出て来た。 明暗差が大きい情況でも冷静である。
EL ニッコール 50mm F4
EL Nikkor 50mm F4, ASA 400 F8 1/1600 sec. -0 +0
EL Nikkor 50mm F4, ASA 400 F8 1/4000 sec. -0 +0
EL Nikkor 50mm F4, ASA 1600 F8 1/400 sec. -0.7
EL Nikkor 50mm F4, ASA 1600 F8 1/1000 sec. -0.3 ● 記事のご案内 → さらに実写の写りを。 第 3 章 ニコン Z 写真帖 2 ショートカットはこちらからです。
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