4基の展示ケースの後半3つ目から見ていきましょう ● 標準レンズ 枠組みとしては「標準レンズ」となっています。しかしながら、これはスゴイです。 世界的なニコンFコレクター(実際に世界一)の方に確認しましたが、 「話には聞いたことがあるが写真ですら見たことがない、ましてや現物が展示とは驚いた」 との檄文をいただきました。 そんなのがレア度を無視してポンと置いてあるわけです。
標準レンズの展示ケース
Nikkor-Q Auto 5cm F2.5, 1960 いきなり、これを見ろ、との狙いのようです。 5cm F2.5という渋さ。F2とか F2.8ではなく、F2.5なのです。 そしてなんと言っても驚くのが、アタッチメントサイズ、つまりフィルター径が 40.5mmなのです。 画像をクリックして大きくしないとよく見えないのですが、製造シリアル番号が No. 170001 なのです。 だからどうしたと言われても困りますが、 マニヤさんには、特に海外のマニヤさんにはこのあたりにとても弱い方々が多いものです。
Nikkor-S Auto 50mm F1.2, No. 295002, 1971
Nikkor-S Auto 55mm F1.2, No. 970103, 1965
Nikkor-S Auto 58mm F1.2, No. 289003, 1972
Nikkor-S Auto 60mm F1.2, No. 187302, 1963 このレンズには反応してしまいました。 焦点距離が 60mmなのです。そして明るい F1.2です。 このレンズは市場(いわゆる中古カメラ市場)に出たとの情報はありません。 そして特筆すべきは三角爪なのです。 試作なので手近にあった部品を取り付けたのかもしれませんが、 これは大きな知見が得られたと感じました。
Nikkor-S Auto 5cm F2, No. 520158, 1959
Nikkor-S Auto 5cm F1.4, No. 314102, 1961 Nikkor-S Auto 5cm F1.4。この現物の展示は非常にありがたかったです。 この道 60年超の先輩筋もしくは長老筋からの伝聞によりますと、 5cm表示の F1.4レンズを 1回だけ見たことがあるとのことでした。 そして、それには三角爪が付いていたと。 つまり三角爪が付いているのは、5.8cm F1.4とこの 5cm F1.4だけであるとの知識がありました。 2018年2月の話ですが、 首都圏の電車の車内吊り広告にニコン100年のポスターが掲示されました。 私は2月24日に新宿駅に近づく京王線の車内で、史料として後世に残すためにその掲示状況を撮影しました。 ポスターの図柄はニコンFを持ったマリリンモンローのポートレイトです。 ニコンFの巻き戻しクランクが立ち上がっていて、一部ではその意味論が論じられたものです。 では装着しているレンズは何か。 その答えは専門家にとって即答でした。 三角爪が付いているのは、5.8cm F1.4と 5cm F1.4だけ。 前玉の大きさから言って 5.8cm F1.4に間違いない。 否定する材料を探すのは不可能との結論に達しました。 その判断基準となったマスターピース、基準原器としての、Nikkor-S Auto 5cm F1.4の現物の出現には、 関係者一同(私とニコンF研究家の方)、全世界で二人だけですが驚いたものです。 そもそも写真画像ですら見たことがないけれど、目撃情報だけは聞いたことがあるのレベルですから。 例えが時代遅れなのは承知で言うと「ヒマラヤの雪男」みたいなレンズなのです。
Nikkor-S Auto 50mm F1.4, No. 9971083, 1972
Nikkor-SC Auto 50mm F1.4, No. 2797001, 1973
Zoom-Nikkor Auto 40-85mm F2.8, 1973 and
Zoom-Nikkor Auto 28-56mm F3.5, 1976 and
Ai AF Zoom-Nikkor 28-105mm F4S, 1983
Ai Zoom-Nikkor 28-135mm F4-4.5S, No. 100641, 1984
Ai AF Zoom-Nikkor 35-70mm F3.5, No. 939202, 1979
Ai AF Nikkor 80mm F2.5S (For F3AF), 1980 and
Ai AF Zoom-Nikkor 35-70mm F2.8S, 1986 and ● 望遠レンズ さて、やっと最後の展示ケースにたどり着きました。 さくっと中を見ただけでもかなりくるものがあります。 そもそも、レンズのリアキャップの色が、 黄色だ、青色だ、みどり色だと言及している時点で話は横道にそれてしまいます。 気合を入れて軌道修正し、なにやらズームレンズのまわりに、ツノが出ていたりのギミックが気になりますが、 毅然として展示品を紹介したいと思います。
望遠レンズ
Reflex-Nikkor 250mm F8, 1973 レフレックス(反射鏡式)で 250mmですか。 ともかくコンパクトな仕上がり。しかしながらこの焦点距離で F8はやはり暗い。
Nikkor-P Auto 135mm F3.5, 1963 and
Ai Zoom-Nikkor ED 80-200mm F2.8S, 1985
Nikkor-P Auto 200mm F4, 1972
Nikkor-H Auto 300mm F4.5, 1972 レンズそのものよりも黄色いリアキャップに反応してしまった取材者です。 ボデイキャップとレンズキャップがカラー化したら新たな需要を確実に開拓できると思います。 レインボーカラーを基準に、赤、オレンジ、黄、みどり、青、藍、パープル。それに白を加えて8色。 従来からある黒はそのまま。 ということで、よろしくお願いいたします。
Nikkor-H Auto 400mm F5.6, 1968 こちらもレンズリアキャップがカラー版。 青というよりも藍色でしょうか。 レンズは旧初代200mmと同じ先細の鏡胴デザイン。
Reflex-Nikkor 50cm F5, 1961
Nikkor ED 600mm F5.6, No. 104313, 1978
Ai Zoom-Nikkor 70-250mm F3.5-4.5S, 1985
Reflex-Nikkor 400mm F8, 1962 and このツノのような焦点合わせ用のレバーが非常にユニーク。 ズームレバーも同じ仕組みで、おそらく運搬時や収納時にはレバーを倒して畳む仕組みのようです。 こんな目立つ武骨なギミックではありますが試作機としての存在感が美しい。
Very Cool Vintage Telephoto Nikkor Lenses ● 常設展示から ニコンミュージアムの常設展示は日々刻刻と変化し強化されています。 重要文化財的銘品がさりげなくポンと置いてありますので注意が必要です。
THE NIKON Z SERIES
歴史的なニコンの第三世代のカメラ。ニコン Z シリーズ。
そして第一世代から数えること 70年。 この 70年目の節目である 2018年に降臨したのが Zマウント機。 ファーストフライトは、ニコン Z 7 と Z 6。 いよいよ第三世代のカメラが地球上で動き出しました。
Nikon Z 7 and Nikon Z 6, 2018
製造シリアル番号 No. 6400028 仰天の極最初期型ニコンF
ニコンF発売時は1959年のレンズの名品御三家
ニコンF2ウエムラスペシャルの本物実機
御神体 評価額 60億円 ● 関連情報のご案内 各界の専門家によるレポートが公開されましたので、掲載年月日順ご紹介いたします。 (1)デジカメWatch
鈴木誠記者によるイベントレポートです。 (2)KEN五島の写真家ブログ
写真家の KEN五島さんによるレポートです。 (3)マクロスタイル
アマチュアの鉱物マクロ写真愛好家 shiroyagiさんのレポートです。
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