June 2025, Nikon Kenkyukai     1

Tele Nikkor 120cm F7

夏至の土曜日

国立天文台の暦要項によると、2025年 6月21日土曜日は、午前 11時42分に太陽黄経 90度「夏至」。 東京・新宿の西口から夏空を望む。 ニコン研究会会場の銀座エリアは夏まる出し。 六月のニコン研究会は夏至の土曜日の開催となりました。

新宿の夏空

新宿・西口

夏の天気予報
読売新聞 2025年 6月17日(火)夕刊から

八丁堀

旧京華尋常小学校(昭和四年竣工)

祭りの準備

図書館

ニコン研究会夏至祭

コンセプトは「夏至祭」。 勝手に夏祭りで盛り上がろうとの企画です。 夏至といえば超大型重量級レンズの鑑賞が必至です。 テーブルの上にはなにやら見慣れない巨大な物体が鎮座しています。

Nikon Kenkyukai Tokyo Meeting

巨大な弩級レンズ

テレニッコール 120cm F7

昭和十三年 Tele Nikkor 120cm F7

きわめて希少な重要文化財クラスのレンズです。 ニコンミュージアムの常設展示で見たことはありません。 2019年のコレクション展、2020年のコレクション展 2 など 関連の特別展を調べてみても、現物が展示された記録はありませんでした。

文献資料では、ニコン四十年史に説明を見出すことが出来ました。 530 ページを参照してみました。 焦点距離 120cm、開放 F値 7、画角 10.5度。 画面サイズは 13 × 18 cm。キャビネ判(5 X 7 インチ判)と言うのでしょうか。 昭和13年 7月設計出図と説明があります。 レンズの外観の写真や図面はありません。 航空写真機用とだけ簡潔に用途が説明されています。

5 X 7 インチ判で焦点距離 1200mmのレンズは、 35ミリ判フォーマットに換算すると、 だいたいアバウトに 180〜200mmレンズくらいでしょうか。 本格的な望遠レンズであることが理解できます。

テレニッコール 120cm F7
昭和十三年(1938年)7月設計出図

Tele Nikkor 120cm F7

ニコン SP と比べてこのサイズ

差し込み式フィルターのセット

鑑賞用レンズ

Tele Nikkor

1 : 7     f = 120 cm

Nr 1200100

Nippon Kogaku Tokyo

Nr 1200100

レンズマウント部

レンズ後玉部とリアキャップ

大陸絞り 7、9、12.5、18

重量なんと 18キロ

The Huge Dreadnought Lens

オールド・エルニッコール

ヒトは、白(クロームボディ)しかなければ黒(ブラックボディ)、 黒(ブラックボディ)しかなければ白(クロームボディ)がほしくなるというものです。 初代キヤノンF−1の白とか、ニコンF2チタンの白となれば、 地球上に実物の存在は認められていますが、一般個人では入手が難しい。

ニコンの引き伸し用レンズはエルニッコールが有名ですが、白(クロームボディ)があったのをご存知ですか。 ご先祖様クラスでは戦前のヘルメス鏡玉(Hermes)。 エルメスではなくヘルメスと言うのがニコンヒストリアンこだわりです。 ニコン 75年史の製品史によれば、昭和十四年(1939年)2月に世に出ました。 美しいクローム鏡胴です。

EL-NIKKOR-C 5cm F3.5 1948年

戦後は昭和二十三年(1948年)3月に登場したのが初代ニコンカメラ。 初代エルニッコールは同年 6月にリリース。EL-NIKKOR-C 5cm F3.5。 ニコンカメラ用標準レンズと同じ白(クロームボディ)。 なんとも美しいものです。キャップも贅沢な金属製。格調高いドーム形。 近年の日本製品では絶滅寸前ですが、最高級品を冠した時代の逸品なのです。

珍しい EL-NIKKOR ドームキャップ

珍しい アルミコンテナケース

Nippon Kogaku Tokyo

なお画像を見るとおわかりのとおり、レンズ本体、キャップともに、 「EL」ではなく「El」とエルは小文字で刻印されています。 しかしながら、本記事では、ニコンの社史の表記を採用し、「EL」と書いています。 100インチの大型ディスプレイで本サイトを精査されている読者様から ご指摘がある前にここにお断りしておきます。

本日の散歩カメラ

Sony FX3 Full-frame Cinema Line Camera

FX3 と SP

ニコン Z 9 と NIKKOR Z MC 105mm F2.8 VR S

記事のご案内

画像の上で左クリックすると、大きいサイズの画像を表示できます。 細部までを確認したい方はどうぞ拡大してご覧ください。

 では次にいきます。   第 2 章  フラッシュガンの研究

ショートカットはこちらからです。

第 0 章      トップページ
第 1 章      昭和十三年 Tele Nikkor 120cm F7
第 2 章      フラッシュガンの研究

Return to the top page of Nikon Kenkyukai


Copyright Michio Akiyama, Tokyo Japan 2025