May 2014, Nikon Kenkyukai     2

Nikon Kenkyukai Tokyo Meeting

ショー・アンド・テル

ワークショップの第二ステージに移りました。 ショー・アンド・テル(Show and Tell)のコーナーです。 ワークショップお道具拝見とでも言うのでしょうか。 ご自慢のコレクションをお持ちいただき、オーナー自らがそのモノを語ります。

テーマは「3枚玉レンズと大口径標準レンズ」と設定してみました。 さてどんなレンズが登場するのでしょうか。まずは 3枚玉レンズから見ていきます。

NIKKOR-T 35cm F4.5

貴重なレンジファインダーニコン用のレフボックス

おなじみの 3枚玉といえばマウンテンニッコール Nikkor-T 10.5cm F4

ニコン F2Tに渋くフィットするマウンテンニッコール Nikkor-T 10.5cm F4

ビューレンズが 3枚玉のアイレスフレックス

粒ぞろいの逸品が並ぶコレクションテーブルは壮観

大口径標準レンズ

3枚玉の説明が一通り終わり、次は大口径標準レンズのコレクションが登場です。 「解釈は各自で自由に」とレンジを広げましたのでニコンばかりではなく、 本格的クラシックカメラも登場しました。 それぞれ、オーナーさんから、ショー・アンド・テル(ブツを見せて語る)があって、 よく理解ができました。

下の画像をご覧ください。 大東亜戦後、国産でいち早く登場した大口径レンズを紹介します。 左から富士写真フィルムのフジノン 5cm F1.2コンタックスマウント(1954年発売) 帝國光学のズノー 5cm F1.1(最初期ピンポン)コンタックスマウント(1954年発売)、 同ズノー 5cm F1.1(改良型)コンタックスマウント(1955年発売)。

フジノン 5cm F1.2、ズノー 5cm F1.1(最初期ピンポン)、ズノー 5cm F1.1(改良型)

フジノン 5cm F1.2コンタックスマウント No.260028

極めて珍しいコンタックスマウントのピンポンズノー 5cm F1.1

1920年代に流行したナハトカメラの両雄

下の画像をご覧ください。
左はナハトカメラの元祖であるドレスデンのエルネマン社が 1925年に発売したエルマノックス(6.5x9判)の改良型 (ERNEMANN, Dresden/ERMANOX 6.5x9)。 エルノスターレンズはそれまで F2の明るさを F1.8に改良され、 あわせてレンズは固定鏡胴から蛇腹の折り畳みタイプに変更されています。

右はゲルリッツのクルト・ベンツィン社が 1929年に発売したレコード・プリマー(6.5x9判) (CURT BENTZIN, Gorlitz/RECORD PRIMAR)。 フーゴマイヤー社製のプラズマート 9cm F1.5レンズは 6x9判としては現在もギネス級の明るさを誇ります。

エルマノックス(6.5x9判)改良型とレコード・プリマー(6.5x9判)

エルネマン・アナスグチマート・エルノスター 12.5cm F1.8

世界最初のナハトレンズの一族。 エルネマン・アナスグチマート・エルノスター 12.5cm F1.8 (Ernemann Anastigmat Ernostar 12.5cm F1.8)。

レンズの明るさではエルマノックスを抜き去ったレコードプリマー。 プラズマート 9cm F1.5レンズはマイヤー社に再就職したパウル・ルドルフ翁の最晩年の作。 極めて希少なカメラと言えるでしょう。

プラズマート 9cm F1.5

プラナー T* 50mm F1.4 ZFとニコンDfの競演

当時新設計された通称オリンピックニッコール 50mm F1.4(5cmではない)

Hexanon 60mm F1.2と Sマウントで一番明るい 5cm F1.1(外爪)

現代と当時もののコーティングの比較

フィルターを外してレンズ前玉のコーティングを比較してみました。 Hexanon 60mm F1.2は 1999年にコニカから 800本限定販売された貴重なものです。

カメラ談義は楽しい

モノにたいする語りは、カタログデータ的な緒元もあるでしょうし、 どうやってそれを入手したかとか、モノにまつわるおもしろいエピソードに脱線し、 そこが次のツッコミを生んで、やはりカメラ談義は楽しいものです。

ニコン研究会では、正しいカメラ談義のあり方も研究しています。 なにをもって正しいかは、10人いれば 10通りの解釈、スタイル、思い込み、 勘違いがあるかとは思います。 しかしながら、そこは大人の会ですので、 それぞれの想いを尊重し、今回も大いに楽しく盛り上がることができました。

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