クラシック大型双眼望遠鏡 ● テラスセッション 東京湾が見下ろせる会場は晴海。 プレゼンテーション・セッション(異常に濃い)が終了後は、 テラスセッションに移行。 梅雨時の開催なので、雨模様でも快適に観望ができるように、 レストランのテラスを予約。 次々に大型機が台車で搬入され、セッティングされていきました。 集まった、歴史的大型双眼望遠鏡、大型高角双眼望遠鏡が 18基。 ここに写っているのは「ごく一部」。 本物の古典機で、ゆったりと「歴史的大型双眼望遠鏡の世界」を堪能しました。 ちょうど近くの晴海ふ頭には、米国の軍艦と大日本帝国海軍の軍艦も停泊しており、 格好の観測対象となりました。 なにかの演習か、一般公開の準備でしょうか。 自動小銃を持った戦闘態勢の兵士が甲板上を行ったり来たり。 私たちニコン研究会は、安全地帯から遠く艦上の光学兵器の完成度を監視しました。
台車でテラス運び込まれたヴィンテージ大型双眼望遠鏡の数々
目視による評価のために現代の新鋭機も投入(右はし)
テラスには大型双眼望遠鏡がスタンバイ
機器の最終調整をする寺田茂樹研究部長
天頂を向く榎本光学機器製造製 10糎 70度 15倍高角双眼望遠鏡
鮮鋭なシーイングに声が上がるテラス会場
コーヒーブレイクのお菓子(両口屋是清)
口径12センチの夜間用 15倍 12糎双眼望遠鏡
現代でも最高の光学性能をたたき出す Nikko対空双眼鏡も並ぶ
晴海ふ頭に向けられた大型双眼望遠鏡の隊列 米国海軍報道部のプレスニュースを見てみたら、軍艦の正体と、 停泊している理由が分かりました。以下は、プレスニュースの要約です。
高角双眼望遠鏡の眺め 昭和14年 6月製造の、真新しい十二糎高角双眼望遠鏡でブルーリッジを監視。 自動小銃を持った完全武装の兵士が甲板上を行ったり来たり。 本物の緊迫感が漂います。 明日からの一般公開にはこういった警備体制はないと思いますが、 安全な一般公開のための準備なんでしょうか。
米第7艦隊旗艦ブルーリッジを古式双眼鏡で監視 甲板を横に見ていくと、な、なんと、 むこうも兵士が艦載用双眼鏡でこちらを見ています。 「古くさい大型双眼望遠鏡がズラリと並んで、我が艦を見ているが、あれは何だ?」 とでも言っているのでしょうか。 「けっしてあやしいものではありません」って、 あやしい団体が叫んではみたものの、少々説得力に欠け、 どこか無理があるように思えました。 米軍の艦載用双眼鏡はどうも口径 8センチ程度のようでした。 こちらは大日本帝国海軍の口径 12センチです。明らかに勝っています。 古さでも圧倒的勝利です。 いずれも 70年以上前の最高性能を誇る光学兵器群です。 しかしながら、今時レーダーやら暗視装置が発達しているので、 時代の光学双眼鏡は実質的には補助的な装備なのでしょうか。
豊川海軍工廠光学部製 12糎 20度高角双眼望遠鏡
昭和14年 6月製造の刻印のある十二糎高角双眼望遠鏡の三脚架 ● 大型双眼望遠鏡コレクション
本日の主役"古式大型双眼望遠鏡"のスパルタンな雄姿
大型双眼望遠鏡コレクション
大型双眼望遠鏡コレクション
大型双眼望遠鏡コレクション
軍艦に搭載された双眼鏡等光学兵器の日米の差異について、
歴史の報道シーンの現場に立ち会ってきた、
現役のプレスである小秋元龍プロに聞いてみました。
● スーパー・ディープなセッションを終えて 集まりも集まったり、歴史的大型双眼望遠鏡、大型高角双眼望遠鏡が 18基。 重量級の大型双眼望遠鏡の撤収には時間がかかります。 約1時間かけて撤収を完了。 最後のセッションはハッピー・アワーです。 晴海のレストランで冷たい生ビールで乾杯。 古式大型双眼望遠鏡談義がいつまでも続きました。
ミーティング参加者による記念写真
関連情報
英国OptRep社( Optrep Optical Repairs ) ● ご報告 ニコン研究会の例会レポートで何回か取り上げてきましたが、 長崎県大村市の長工醤油味噌協同組合様が戦後より所有している 「榎本光学機器製造製 10糎 70度 15倍高角双眼望遠鏡」 のフルレストアがこのたびニコン研究会望遠鏡専門部会の 寺田茂樹研究部長の手により完了いたしました。 本レポートで説明の通り、 2012年 6月の野外における目視官能試験を中心とした光学性能検証をもって、 この歴史的高角双眼望遠鏡が昭和17年(1942年)の製造直後に有していた光学性能を ほぼ忠実に修復再生できたことが確認されました。 2012年 7月には、寺田茂樹研究部長より直接、 「榎本光学機器製造製 10糎 70度 15倍高角双眼望遠鏡」を 長工醤油味噌協同組合様に返却されましたことを、 ここにご報告申し上げます。 最後に、長きにわたり、貴重な歴史的高角双眼望遠鏡をお貸しくださり、 光学兵器から見た日本の光学技術史研究にご理解をくださった、 長工醤油味噌協同組合様に感謝申し上げます。
2012年 8月
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