February 2010, Nikon Kenkyukai Tokyo, Meeting Report

ニコン・ヒストリカル・ソサエテイとの勉強会

February 20, 2010
Nikon Kenkyukai
Tokyo Meeting
Bill Kraus & Chris Sap
Special Study

銀座は冬晴れの東京ミーティング 2010

ビル・クラウス氏とクリス・サップ氏を招く

2010年2月のニコ研は、 ニコン・ヒストリカル・ソサエテイのビル・クラウス氏と クリス・サップ氏を招いての勉強会を開催しました。 メインテーマは、「モータードライブ」です。 東京は銀座にほど近い会場には、 午前中に松屋デパートで開催されている世界の中古カメラ市を歩き、 収穫物を手に提げた会員が集合しました。

会場に集合と同時にニコン談義全開となりました

ニコン・ヒストリカル・ソサエテイの講演

ベルギーのクリス・サップ氏は、幻のニコンF2高速モーター250枚撮り特別機の研究報告です。 ニコンがプレス向けに10台程度製造した特殊モデルで、 実機の検証とニコンの開発者に直接取材した、たいへんに興味深いプレゼンでした。

F2H 250モデルの特徴とその開発経緯

幻のF2H 250モデルを熱く語るクリス・サップ氏

きわめて製造数が少ない幻のF2H 250モデル

ビル・クラウス氏の講演

米国のビル・クラウス氏は、 彼と親交のあった写真家サイモン・ネイサン(SIMON NATHAN) 氏に関する研究レポートです。 サイモン・ネイサン氏は、広く米国のカメラファンに知られていた写真家です。 たくさんの、アマチュア向け写真書(カメラの使い方マニュアルから、 暗室技術、撮影技術まで幅広い)を執筆し、雑誌も刊行されていました。

米国のオールド・カメラファンで知らない人はいないくらい有名な写真家ですが、 2004年5月に82歳で亡くなっています。 今回の研究レポートでは、 サイモン・ネイサンと彼のニコンモータードライブワークについて、 知られざる貴重な事実が発掘されました。

なんとニコンSPの250枚撮りモータードライブとは

アンサープレゼンテーションとして、 小秋元龍プロから、有名なエピソードの報告がありました。 当時のアサヒカメラに掲載された日本光学工業の広告をご覧ください。 「私はニコンを愛するあまり姓をニコンとあらためました。 いまではすべての郵便物がサイモン・ニコンでとどけられます。」

プレスのみに提供されたと思われる 最初期型の黒塗りレフレックスニッコール1000mm F6.3と、 S型モータードライブのついたブラックニコン、そしてサイモンさんの笑顔。 よい広告です。

私の名はニコンです

コーヒーブレイク

ハイレベルで中身の濃い勉強会がクローズしました。 クリスさんのおみやげのベルギー製高級チョコレートをお茶菓子に、 コーヒーブレイクとなりました。 講演のツッコミどころの質問が飛び交うなか、 貴重番号帯のニッコールレンズやアサヒ・ペンタックスが並んでいます。 よくみたら、アサヒ・ペンタールではないですか。 いまは絶滅種のコレクターズアイテムとなって、 実物を見た人は少ないと思いますが、海外の特定国向けのモデルです。 なぜ、ペンタックスとしなかったのかは、詳しい人に聞いてください。

かなり捕獲が困難となっているアサヒ・ペンタール

ニコンFモータードライブ

さて、メインテーマであるモータードライブ特集の、実機による検証がスタートしました。 コアな会員が持ち込んだのはニコンFモータードライブ。 その数F36が6台にF250を1台。 これがコレクションのすべてではなく、カメラバッグに入ったのが6台+1台までなので、 6台+1台をお一人で持参されました。 体を鍛えていないとニコンファンはやってられません。

すべて完全調整済みのきわめて軽快に走るモーター機

斜体のNIKONロゴが入ったモーターも

珍しい西ドイツ仕様のNikkorモーター機

高速モーターサウンドにしびれる

ニコン電気モータードライブの歴史はS型ニコンの時代に遡ります。 当時の最高の機械部品や電気モーターが採用されたS型モーターは、 S36、S72ともに今でも最高のワーキング・コンディションを保っています。 その走行音。金属歯車で出来た美術品といえるでしょう。 高速モーターの機械様式美を満たすダイナミックなサウンドには一同しびれました。

ヴィンテージ機を鑑定するクラウスさんとサップさん

S型モーターがこれだけ揃う機会はめったにありません

ダイナミックな高速モーターサウンドはやはりS3M72

S型ニコンモータードライブのシンプルだけど華麗な美しさ

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