Ultra Micro Nikkor Operation

ニコンFマウント化した長焦点ウルトラマイクロニッコール

ウルトラマイクロニッコールは使えるか

ウルトラマイクロニッコールがいままで、この世界で話題にならなかった理由の1つは、 いくつかの風説のためだ。

  • ウルトラマイクロニッコールはカメラにつけられない。
  • ウルトラマイクロニッコールはピントが出ない。
  • ウルトラマイクロニッコールは特殊な光線用なので、ふつうのフィルムでは使えない。

とくに、ウルトラマイクロニッコールはピントが出ない、とはよく聞く話だった。
もちろんこれらの風説・噂話は、すべてバツである。

風説を壊せ

カメラにつけられないというのは、 ウルトラマイクロニッコールがふつうの一眼レフカメラ、 たとえばニコンF系カメラにつけられないという意味だ。
レンズがFマウントでないために出た話だろう。これは初歩的な思い込みである。
いくつかの短焦点のウルトラマイクロニッコールは、ライカL39スクリューマウントだ。
ウルトラマイクロニッコールというと、一般的にはポピュラーな28mm F1.8を指す。
これもライカL39スクリューマウントだ。
ライカL39スクリューマウントのレンズは、 市販のニコン純正のL-F接続リングでニコンF系ボデイにマウント可能だ。

ウルトラマイクロニッコールはピントが出ない。これが一番の難題だ。
じつは、最初の28mm F1.8を購入するときに、 ピントが出なくても1本くらい持っていてもいいかな、との気持ちがあった。
レンズをL-F接続リングでニコンカメラにマウントしても、このままではピントが出ない。
ベローズを介して長く伸ばしてもだめ。ベローズを外して直につけてもピントがでない。 ファインダーを覗くと、ぼんやり光が見えるだけだ。

眼前に迫るウルトラピント

下の写真を見ていただこう。
ニコンF3に28mm F1.8がセットされている。しかもレンズが逆向きについている。
ウルトラマイクロニッコール28mm F1.8をニコン一眼レフで使うには、 レンズをリバースしてボデイにつける。鉄則だ。
レンズをリバースすると、 ピントは鮮鋭を通り越してウルトラピントが眼前に迫ってくる。
ウルトラマイクロニッコール28mm F1.8はリバース接続でピントが出る。
これが事実。
いままで、ウルトラマイクロニッコール28mm F1.8を入手しても、 ピントが出ないがために手放す人がいたと思う。残念なことだ。

ウルトラマイクロニッコールをどうやってニコンのカメラで使うか

40.5mmリバースリング

では、どうやってリバースするのか。
ウルトラマイクロニッコール28mm F1.8のレンズ前側、つまり、フィルター径は40.5mmだ。
レンズ側に40.5mmのオスネジが切ってあり、カメラ側がFマウントのアダプタがあれば解決する。
こんなものニコンの純正製品であるのか。
私の探索行はさらに奥地へ向かっていった。

カメラのアクセサリーメーカーの製品をいろいろと調べてはみたが、これはと思えるものはなかった。 各方面に当たってみた結果、結末は身近にあった。
信じられない話だが、ニコンから40.5mmのリバースリングが販売されていた。
レンズ側に40.5mmのオスネジが切ってあり、 カメラ側がライカスクリューマウントのオスネジになっているリングだ。

ウルトラマイクロニッコール28mm F1.8の頭を40.5mmリバースリングにねじ込む。
この状態でL-F接続リングにねじ込むと、非常にしっかりとリバース固定できる。
40.5mmリバースリングは金属製で、もちろんニコン純正である。 カメラカタログにはいっさい記載がない。 いわば幻の、ウルトラマイクロニッコール28mm F1.8専用リバースリングなのだ。
こういうきわものに対して、Nikonのロゴを刻印し、 しかも丁寧に青箱に入れて製品化するニコンの姿勢にはまいる。

簡単ではないから趣味

レンズは流通しても、こういった小物が鬼門だ。
むかしから、マウントアダプタやアダプタリングの類は、 手に入るときに入手しておけといわれる。すぐに使わなくてもだ。
使いたいと思い立って買いに行くと、もう製造中止になっているのがこの世界の非情な物語だ。
私はこれで、ずいぶんなかされた。

はずかしい話だが、私はこの、 ウルトラマイクロニッコール28mm F1.8専用リバースリングを4個も確保してしまった。 レンズが1本しかない時にだ。なにごとも、備えがたいせつとはいえ。
と、思っていたら、いつのまにか、レンズの方から来てしまった。
おかげで、4本のウルトラマイクロニッコールすべてにニコン純正のリバースリングを付けてあげられるが、 これも縁なのかもしれない。

ニコンカメラカタログにはいっさい記載がない、この40.5mmニコン純正リバースリング。
都内の大型量販カメラ店でもショーウインドーに並ぶことはない。
たったこれだけ話である。
それだけだ。
それだけというのが、本当はむずかしいものだ。

趣味は、かんたんではつまらないではないか。
人生は、・・。
ちょっと、まだ早い。ハナタレの私が語るのは。

2016年の追記

ここまでのコンテンツは2001年11月当時のものです。
この当時は、私が所有していたウルトラマイクロニッコールは28mm F1.8と55mm F2のみでした。 両方ともにレンズのマウントはL39(ライカスクリューマウント)です。 そのため、L39マウントに絞った言及となっています。

時代が進み、デジタルカメラは劇的に性能向上し、さらに新しい考え方のカメラが登場しました。 ミラーレスカメラの登場、さらに大小各種サイズの画像センサーを持つカメラが生まれました。
当時はレンズ(短焦点の28mm F1.8等)をリバースしないとピントが出ないと述べていますが、 小さい画像センサーを有するミラーレスカメラを使うことで、 レンズをリバースしなくてもピントが出ることが実証できました。 この点は以下にレポートします。

私のコレクションの方もその後、 L39マウントではない長焦点のウルトラマイクロニッコールを入手するに至りました。
UMN 125mm F2.8、UMN 135mm F4、UMN 155mm F4、そしてUMN 165mm F4です。
こういった長焦点のウルトラマイクロニッコールについても、 専用のニコンFマウントアダプターを開発し特注することでニコン一眼レフカメラに装着して実写に挑戦しました。
以下にその後をレポートします。

短焦点レンズ(UMN 28mm F1.8等)の順方向直付け

上記の記事(2001年に書いたもの)では、 レンズをリバースしないとピントが出ない(合焦しない)と説明していますが、 その後事情が変わったので説明します。
従来の35ミリ一眼レフカメラでは、このレンズのバックフォーカスが短かすぎて合焦できませんでしたが、 ミラーレスカメラの登場により、これが解決しました。
レンズをリバースしなくても、レンズを順方向に装着して、ピントが出ることが確認できました。
ただし、順方向ではイメージサークルが小さいので、 レンズを順方向に装着した場合は、撮像素子のフォーマットが小さいカメラの方が有利です。
以下の実例画像は、ニコン研究会の例会(2009年9月)で、 実際にカメラに装着して撮影している様子です。

Ultra-Micro-Nikkor 28mm F1.8を順方向に装着し撮影している様子

長焦点レンズのFマウント化計画

短焦点のウルトラマイクロニッコール28mm F1.8や55mm F2は、 L39ライカスクリューマウントのため、 市販のニコン純正のL-F接続リングでカメラに装着(マウント)することができました。
しかしながら、ウルトラマイクロニッコール125mm F2.8のように、 62mm P=1.0のネジマウントだと市販のマウントアダプターが存在しませんでした。
そこで、マウントアダプターを自分で作ることにしました。
でも私は機械工作の専門知識や技術、もちろん工作機械を持っていません。
そこで、三次元機械設計のプロである専門家に相談し、 ごく少数のマウントアダプターを特注品として限定生産することにしました。
以下は、各種ウルトラマイクロニッコール用の専用マウントアダプターの開発の経緯です。

62mm専用Fマウントアダプター

2005年の秋に、ウルトラマイクロニッコールの長焦点レンズ、125mm F2.8および135mm F4を、 ニコンFマウントの一眼レフカメラに装着するための専用マウントアプターを開発しました。
ウルトラマイクロニッコール125mm F2.8およびウルトラマイクロニッコール135mm F4は、 62mm P=1.0mmのネジマウントです。
このマウントアダプターは、62mm P=1.0mmのネジマウント−Fマウント変換アダプターです。
62mm P=1.0mmネジマウント・ハウジングは、特殊工業用アルミニウム合金の削り出しに、 黒色陽極酸化皮膜処理による半つや消し加工による特注の限定品です。

62mmマウントアダプターでウルトラマイクロニッコール125mm/135mmを装着

72mm専用Fマウントアダプター

2006年に、ウルトラマイクロニッコールの長焦点レンズ155mm F4を、 ニコンFマウントの一眼レフカメラに装着するための専用マウントアプターを開発しました。
ウルトラマイクロニッコール155mm F4は、72mm P=1.0mmのネジマウントです。 このマウントアダプターは、72mm P=1.0mmのネジマウント−Fマウント変換アダプターです。
72mm P=1.0mmネジマウント・ハウジングは、 航空エアロパーツ用最高級ジュラルミンをブロックから削り出し。 軽くかつ強度を出すために、高度なスパイラル旋盤加工をしてあります。
黒色陽極酸化皮膜処理による半つや消し加工による特注の限定品です。

72mmマウントアダプターでウルトラマイクロニッコール155mm F4を装着

82mm専用Fマウントアダプター

同じく2006年に、ウルトラマイクロニッコールの長焦点レンズ165mm F4を、 ニコンFマウントの一眼レフカメラに装着するための専用マウントアプターを開発しました。
ウルトラマイクロニッコール165mm F4は、82mm P=1.0mmのネジマウントです。 このマウントアダプターは、82mm P=1.0mmのネジマウント−Fマウント変換アダプターです。
82mm P=1.0mmネジマウント・ハウジングは、 航空エアロパーツ用最高級ジュラルミンをブロックから削り出し。 軽くかつ強度を出すために、高度なスパイラル旋盤加工をしてあります。
黒色陽極酸化皮膜処理による半つや消し加工による特注の限定品です。

82mmマウントアダプターでウルトラマイクロニッコール165mm F4を装着

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