MACRO Nikkor 65mm F4.5 Lemon Yellow

美しい檸檬色のラインのマクロニッコール65mm F4.5

檸檬色

日本人の感覚だと、レモンはフレッシュでポジティブなイメージを持つ。
昭和初期にはキリンレモンが販売されていたとかで、かなり昔からなじみ深い。
レモン色というよりも、檸檬色と漢字で書きたい気分にさせるのは、 マクロニッコール65mm F4.5の鮮烈な帯の色である。

使いやすい特殊ニッコール

コスモスの群生が目にまぶしい。高原の冷気も昼間はおだやかだ。鳥も風。
一眼レフカメラには軽いマクロレンズがほしい。
私がほしいマクロレンズは、このサイズだ。
明るい必要はない。65mm F4.5のなんとも、たおやかなスペック。
使い勝手は抜群によい。 小生物から植物もこなす。私はまだ試したことはないが、鉱物の撮影にもよさそうだ。

コスモスにマクロニッコール65mm F4.5
(撮影年は2001年10月)

周辺光量低下なしの農学部レンズ

マルチフォト(大型マクロ写真撮影装置)用に専用設計されたレンズの1本である。
高解像力マクロニッコール65mm F4.5。
もちろん大判カメラ(4×5インチ判)で拡大撮影に必要な性能をそなえている。
周辺光量低下なし。像も均一だ。
細胞の組織写真が専門なだけに、精緻な描写にはしびれてしまう。

マクロニッコール65mm F4.5。
標準使用倍率範囲は3.5倍〜10倍。基準倍率は 5倍。
1993年当時の価格は80,000円。

たぶん、大学の農学部あたりでは、まだまだ現役で使われていることだろう。
水産試験場の設備では、 エビの子供の生態写真もカラーで最高のパフォーマンスを引き出している。 白衣を着た先生方がくつろぐ研究室にもピッタリ。
そしてフィールド撮影もOK。楽勝だ。
田植えが終わった雨上がりの水田。 稲の生育記録には、一眼レフカメラに装着して軽快にマクロ撮影が楽しめる。

田植えにもマクロニッコール65mm F4.5

山に入る自然科学写真家にも似合う

レンズを極小動物に向け、 大地に天空をながめる時間があることの幸福をかんじるのは正しい。 マクロニッコール65mm F4.5。
盆栽愛好家や、透明な水を愛する水草ファン。 そして、山道を歩いて山に入る自然科学写真家には必携の軽快な超高解像力レンズだ。 オーバースペックだってかまわない。

山道を歩く自然科学写真家はマクロニッコール65mm F4.5

めじるしは黄色のライン

黄色いラインがエナメル塗料で入った、美しく均整のとれたマクロレンズ。
ほんらいは、長さ60cmのロングベローズ(長蛇腹)に取り付けて35ミリ撮影もこなす。
ニコンのカメラ用ベローズ装置にもなじむ。
マクロニッコール65mm F4.5は、ライカL39スクリューマウント。
L-F接続リングを介してかんたんにFマウントに装着できる。
無限遠は出ないが、そのぶん、おもいきりベローズを伸ばして使いたい。
長さ60cmのロングベローズでもらくらく仕事をこなす、ウルトラパワーを持っているのだから。

手軽で超高性能が手に入るマクロレンズとして、マニヤの間でも人気がある。
黄色いラインのイエローラインニッコール。
平面に引かれた線だとラインだが、レンズ鏡胴のぐるりまわりではベルトとするのがが正しいのだろう。 でも線が細いのでここでは黄色いラインのイエローラインニッコールとしたい。

超高解像力レンズマクロニッコール65mm F4.5

めじるしは黄色のラインのマクロニッコール65mm F4.5

そしてバナナイエローなマクロニッコール65mm F4.5

夜の雪にマクロニッコール65mm F4.5

首都圏は東京23区に大雪警報(積雪20センチ)が出た夜。
昭和余年は春も雪。帝都の雪は情となる。
音もなく。Macro Nikkor 65mm F4.5。

夜の雪 主演はマクロニッコール65mm F4.5

星空のような雪の結晶が降る
(撮影年は2018年1月)

マクロニッコール65mm F4.5による実写

一眼レフに簡単に装着して軽快に撮影できるのが楽しい。
やはり接写といわれる分野の写真にはめっぽう強い。 レンズは開放にしてもF4.5で一般的には暗いレンズとなるが、 ピントのめりはりがあって、撮影はとても楽である。
レンズは極めてシャープで精密な描写を得意とする。 が、しかし、背景のボケが優しくなめらかで、上質のマクロ撮影用レンズといえる。

マクロニッコール65mm F4.5の基準倍率は5倍。
ベローズ(本来はマルチフォト装置用の長い通称ロングベーローズ) を介してレンズをカメラボディに装着するのが正しい作法だ。 しかしながら、ベーローズを介さず直付けして撮影しても独特のマクロ表現が可能となる。
実写画像をクリックすると少し大き目のサイズの画像が出ます。

手近にあった黄色を撮影してみた

ブロッコリーの黄色い花

日本画の天然岩絵具のような落ちついた色彩表現

風が冷たい空気感とか昔の音が聴こえてくる

科学写真用マクロレンズ独特の華麗なボケ味

レンズは暗くても明るい情景が映る

気立てが良く素直でそして美しいレンズを実感

昭和の日本映画のような色彩と情況

2018年のあとがき

本コンテンツのオリジナルは2001年10月当時に書いたものです。
2001年当時は1枚きりだった画像ですが、画像品質が今となっては見劣りするため、 2016年の見直しにあたり、その後撮りためた画像を大幅に追加しました。
バナナも写真写りがよい黄色に熟すまで待ってから撮影に入りました。

2017年には、基準倍率が5倍のマクロニッコール65mm F4.5を使って、 倍率1/3倍程度のゆるいゆるゆるのマクロ撮影をしてみました。
クルマに例えると、時速350キロを軽く超えるF1カーで、 時速15キロでノロリと動いているようなものですが、 それでも趣きのある絵が叩きだされました。
あえて基準外の撮影条件で、日本情緒が表現できる使い方をしてみました。
本格派科学写真家の方は、本来の倍率範囲で、鉱物などをお撮りになれば、 カチンカチンの壮絶解像力と描写を実感できると思います。

2018年1月。首都圏は東京23区に大雪警報が出ました。
テレビニュースでは鉄道で、道路で交通が混乱した映像が流れていました。
雪の夜にマクロニッコール65mm F4.5の画像を追加しました。

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Copyright Michio Akiyama, Tokyo Japan 2001, 2018