Glico Nikon F Miniature

グリコのニコンFはブラックボディとクロームボディ

Glico Sweet Candy
Nikon F Miniature
Real Toy Camera

グリコのおまけ

いまさらではあるが、グリコのおまけのニコンFだ。 2002年は夏ごろからか、ネット上でグリコのおまけにニコンFがあることを知った。 はじめは、「おもしろいものを企画するものだ」と感心したていどであったが、 東京は月島で開催されたアルパ研究会に行ったとき、 ニコンS2のブラックモデルを見せてもらって感動しているそばで、 おもむろに公開されたのがグリコだった。

想像していたよりも、精密にできているではないか。 そして、想像していた以上に小さい。 小さいことは日本人の縮み志向に合うのだ。

日本人の縮み志向は集積回路の実現に集約されている。 東京・浅草の助六は江戸物のミニチュアで有名な老舗だ。 手の平に乗るというよりも指でつまむサイズの可愛い招き猫とか、 屋台の極小モデル、5百円硬貨サイズのにぎり寿司など、小さきことは心和むものがある。 しかし、この助六でもカメラは置いてない。

ネットで"グリコ_ニコンF"と検索するとわかるのだが、 サイトによってはきちんとニコンFが語られていない。画像のクォリティもよいとは言えない。 カメラに詳しくない方が説明するのは少々無理なのはしかたない。 当サイトでも、このグリコのおまけを取り上げないわけにはいかない。 ここはひとつ、カメラファン、いやニコンファンが分析したグリコのおまけを見ていただきたい。

閃光電球発光器にブロアーと芸が細かい

ニコンFクロームボディ

グリコのおまけの中で、どのくらいの確立でニコンFが出てくるかは知らないが、 中身によって箱全体の重量が異なるという。 中身ごとに重量を計測しているマニヤさんもいたと聞くが、 さすがにそこまでしてコンビニは行けない。

グリコ・ニコンFクロームボディのセットは以下のとおりだ。

−前期型ニコンFクロームボディ
−ニコンFクロームアイレベルファインダー
−全面マットB型スクリーン(着脱不可固定)
−ニッコール Auto S.C. 50ミリ F.14標準レンズ、丸爪、非AI、フィルターなし
−フラッシュガンユニット BC-7
−ブロアーブラシ(クリーム色)

ニコンFブラックボディ

クロームボディにくらべてブラックボディのほうが数が少ないことになっているそうだ。 具体的事実はニコンから公式アナウンスがないため断定できないが、 やはり少し出てくる確率が少ないと聞く。 このあたりは実物と同じコンセプトなのがすごい。 詳しいことはグリコのおまけファンにご教授願いたい。

グリコ・ニコンFブラックボディのセットは以下のとおりだ。

−最後期型ニコンFブラックボディ
−ニコンFブラックアイレベルファインダー
−方眼E型スクリーン(着脱不可固定)
−ニッコール Auto S.C. 50ミリ F.14標準レンズ、丸爪、非AI、フィルターなし
−1000ミリ F11 レフレックスレンズ
−ブロアーブラシ(ねずみ色)

ブラックボディには、レフレックスの1000mm F11 レンズが付属している。 このレンズのオリジナルは1965年10月の発売であるから、 ニコンFの現役販売時代(1959年〜1974年)にぴたり収まり時代考証は正しい。 サイトの一部では、ニコンFの時代にレフレックスの1000mmはまだ存在していないのでは、 との話題を見つけたが、それは誤りだ。ここで言ってもしょうがないが。

ギミックは一流品

ともかく、おまけでここまで仕上げていることはすごい。 考えようによっては、キャラメルがおまけについているミニチュアともいえる。 雑誌「ラピタ」の記事によると、中国で製造されているとのこと。 1個1個プラスチックのバリを削り、マスキングして吹きつけ塗装。 銘板のNikonロゴとか、アイレベルに白抜き文字でFと入れる技術はすごい。

ファインダーは着脱可能だ。 ちゃんとファインダースクリーンが入っている(ように見える)。 レンズも極小Fマウントのバヨネットだ。

大人買いですみません

日本は平和だ。 大人なのにグリコのおまけに熱くなっている。 真剣なみなさん、すみません。 でもね、私が想定している読者は、いろいろだ。 病院のベッドの上、スマホやノートパソコンで見ている人もいるでしょう。 不本意なお仕事に変わったばかりのお父さんもいるでしょう。 受験勉強で息抜きの人もいるでしょう。 海外はインド洋を越え喜望峰で読む人もいるでしょう。 そんな方が、そんな大人の方が、このサイトを見て元気になればそれでよし。 大人買いですみません。

グリコのおまけと本物のマクロニッコール35mm F4.5
(撮影年は2002年11月)

鉄道ファンのグリコニコン

手先の器用な方や、模型工作趣味の方だったら、きっと手を加えて遊びたくなるだろう。 実際に、グリコニコンをベースに、ミニジオラマを製作した方を紹介したい。

横浜の植原誠氏( UEHARA's Railway Photo Gallery )は鉄道模型を中心とした模型工作技術がすごい。 以下の画像は、植原さんから許可をいただき、掲載させていただいた。 ジオラマのタイトルは「撮影の合間」である。

ジオラマ「撮影の合間」
Photo: Copyright (c) 2007, Makoto Uehara, All Rights Reserved.

植原さんによる製作コメントは以下のとおり。

スケールは大まかに1/5位。 直径4mmの真鍮パイプと3mmのアルミ棒を使っています。 自由雲台とエレベータのストッパネジは真鍮釘を使用。 足の根元と雲台部分は檜材から削り出しています。 完成後、全体をマットブラックで塗装。部分的にシルバーを色入れしています。
また、カメラには0.3mmの洋白線でストラップ環を取り付け、 リボンの切れ端で製作したストラップを通してあります。 本来なら、ニコンのコーポレートカラーであるイエローを使うところなんですが、 手元に無かったので、赤になってしまいました。(^^ゞ

追加で製作した銀箱は、発砲スチロールを芯にしてケント紙で外周を覆い、 その上からアルミホイルを張り付けました。 表面は丸やすりで凹凸を付けてそれらしくし、 ふちは同じくアルミホイルの光沢面を細く裂いて張り付けました。 なお、把手は檜材を使用して製作しました。
脇に置いてあるダイヤ情報は、 私が持っているものをデジカメで撮影しプリンタで出力して製作しました。 ちなみに、裏表紙も忠実に再現してあります。(^^ゞ   ブロアブラシはグリコに付属していたものです。

    

ジオラマ「撮影の合間」
Photo: Copyright (c) 2007, Makoto Uehara, All Rights Reserved.

2020年のあとがき

このコンテンツのオリジナルは2002年11月に書いたものです。 2007年9月には「鉄道ファンのグリコニコン」を追加しました。 2016年のサイト移転に伴う見直しにあたり、本文を見直しましたが、 画像は当時のオリジナルのまま掲載しています。 グリコのニコンFはヤフオクでも人気があるようで、 出品物を目にする時がありますが、 なかなかよいお値段が付いているようです。

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