● 大幅に変化したネット環境とデジタルカメラ 2001年10月に本ウェブサイトの公開をスタートしてから15年が経過しました。 この15年の間にインターネット環境とカメラそのものが劇的に変化しました。 15年前。当時私はパソコンをモデムを介して電話回線でネットと接続していました。 一般家庭のネット環境では電話回線の時代です。 文字情報だけなら問題とならなかったのですが、写真画像を含むと大きな問題となりました。 電話回線では通信速度が遅く、写真画像を何枚も貼ってあるサイトでは、画像が重たいとかのクレームが 来たものです。 このサイトでも、最初は1つのコンテンツにつき画像を1枚入れたきりでした。 640ピクセルで撮影した生データが約80キロバイト。 画像加工ソフトでまわりをぼかすと約20パーセント容量が減るので、 積極的にまわりをぼかした画像を使いました。 ポエム調にするとか幻想的にみせるとか、そういう優雅な理由ではなく、 なるべく画像サイズを小さくして、容量を減らすことに苦心しました。 容量を少なくすることは、読者にとって現実的な話であって、電話回線だと課金に大きく影響したのです。 カメラの事情も大きく劇的に変化しました。 黎明期のデジタルカメラは画像サイズも小さく画質も荒く、 ウェブではちょこんと説明に加える程度の使い方しかできませんでした。 しかしながら、ことデジタルカメラについては技術の進歩が指数関数的に向上し、 コンパクトデジタル機でも十分に写真が使えるようになりました。 また、普通の写真趣味程度の人でも購入できる価格帯のデジタル一眼レフが出てきました。 電話回線だったネット接続は、その後ADSL接続に変わりました。 スピードが劇的に速くなったのは感動的でした。 電話回線だとウェブの写真画像がすこしづつだんだんに表示されたものです。 それがパッパッと表示されるものですから驚きました。 さらに、ADSL接続から光回線になるのがごく当たり前の状況となり、 一般家庭のネット環境は大幅に改善されました。 ● 産業用レンズを理解する人が増える 当サイトでは光学レンズに主眼を置き、超絶的かつオーバースペックな極限最高性能を叩き出す、 時代の孤高なスーパー・ハイエンドレンズを探求し紹介してきました。 サイトを開設した2001年当時は、 工業用ニッコールレンズや産業用ニッコールレンズについてまったく知る人がいない世界でした。 当時の検索エンジンを使って、「ウルトラ・マイクロ・ニッコール」や「プリンティング・ニッコール」 に代表されるキーワードを入れても、何もヒットしない状況だったのです。 そんな状況から時が経過し、 同好の方々の大きな協力を得て、いまではたくさんの方がその存在を知ることになり、興味を持たれる方が増えました。 おかげで、朽ちて廃棄される寸前のレンズたちが救出された事例をたくさん見てきました。 本サイトの存在が、そして支持していただいている方々の熱情が、 日本の工業文化遺産の保護にすこしばかり貢献できたかなと最近思えるようになりました。 ● 15年ぶりの全面改訂 出版の世界ですと、15年前に初版で出た本でも、 改訂版として内容を強化して新たに世に出るケースが多くあります。 しかしながら、ウェブのコンテンツは改訂しながら情報を保つ例はあまりなく、 すぐにサイトごと無くなったり、あるいは完全に放置されているサイトを見かけます。 15年前にニフティと契約しURLを取得して本サイトはスタートしました。 長くサイトを維持しておりましたが、 2016年2月にニフティから@homepageサービスの終了がアナウンスされました。 プロバイダが用意した移転サービス機能で、従来のコンテンツのまま新しいURLに変更になりました。 引越しは簡単に済んだのですが、 今さらながら15年前に書いたコンテンツを見直ししてみると、 他のサイトへのリンクはことごとく切れていました。 コンテンツそのものも、15年前に書いた内容から、さすがに世間の状況は大きく変化しており、 特にネット環境と圧倒的な優位性を持つデジタルカメラの劇的な性能向上で、 とても現状のままの内容で公開を続けるのは無理があると思いました。 意を決して、すべてのコンテンツを見直すことにしました。 ようするに、全面書き直しです。 15年前に非力なコンパクトデジタルカメラで撮影した画像は、 今となってはウェブに掲載するギリギリの画像品質でした。 その後に、もうすこしよいデジタルカメラで撮りためた画像のストックがたくさんありましたので、 少しづつ画像を追加してみました。 コンテンツの文章も、2016年を起点にして、再度見直し修正、削除、加筆を行いました。 実に15年ぶりの全面改訂となったのです。 ● これからもウェブでいきます 15年ぶりの全面改訂を機会に、 過去に書いた、ややすべり気味でテンション高めの表現は少しおとなしくなりました。 テクニカルなデータは、再び一次資料にあたり、 裏付けが取れるものに限定して掲載するようにしています。 紹介したレンズで実際に撮影した画像も一部ですが、新たに追加してみました。 さらに、このジェネラル・リセットを機会に、独自ドメイン「redbook-jp.com」を取得し、 サーバーも大容量なものを確保しました。 こんどは、URLが変更になるということはないでしょう。 まだまだ公開していないネタ、紹介したいレンズはたくさんありますので、 少しづつではありますが、新しいコンテンツを掲載していきたいと思います。 SNSでも情報を発信してきましたが、 日々時間と共に流れ去ってしまうフロー型の情報提供スタイルよりも、 古くさくてもどしりと動かない、流れない、 時代遅れのウェブサイトがメインテーマの拡散拡大啓蒙に効果があると信じています。 これからもウェブでいきます。
2016年9月
RED BOOK NIKKOR *私の連絡先メールアドレスは、総合案内>管理人室にあります。
Copyright Michio Akiyama, Tokyo Japan 2016, 2019
|