Alpine Red Flower with CRT Nikkor Lens
● ヴィベックさんのオランダ通信 オランダのヴィベック・アイル(Dr. Vivek Iyer)さんの、 特殊用途ニッコールレンズへの取り組みを紹介したい。 化学の研究者である彼は、米国で博士号を取り、オランダで活躍している。 下に小さいモノクロ写真を貼ってみた。彼の作品だ。 電子顕微鏡による記念写真が得意な彼が、 1オングストロームの解像力を持つ電子顕微鏡を使って、ニッケルの原子を撮影したものだ。 ニッケル原子の美しい配列とか、なかなか通好みの映像ではないだろうか。 彼もまた、スーパーハイレゾレーション・ニッコールレンズの魅力にとりつかれ、 その宇宙を彷徨っているのである。 彼は、カメラファンのクラブなどに、属するのを好まないタイプの人間だ。 自分で言ってきたから、間違いないだろう。 でも、このサイトに参加することはOKと言ってくれた。 RED BOOK NIKKORだけは別なんだ、ということであった。 なにが別だが聞かないが、そこはマニヤ同士の呼吸で分かり合えるものがある。 本サイトの英語版を作るきっかけは、オランダのヴィベックさんからのメールだった。 彼は、私のウェブサイトにコンタクトをしてきた最初の外国人なのだ。 研究者はどの世界でも、地味な努力をするものだ。 なんと日本語の、漢字で書かれたコンテンツを読んだとのことだ。 でも英語だったらハッピーなので、なんとかたのむよ、というのが最初のあいさつだったのだ。 念のために書いておくが、時代は2001年の話。 Googleが誰でも簡単に使える世界の言語に対応した機械翻訳を提供するいぜんの話である。 Serious Scientist and His Cooperation Dr. Vivek Iyer is a scientist to live in Netherlands. He is an expert of the chemistry, and is doing a serious research.
Also, he is exploring the deep sea of super high resolution Nikkor lenses. However, he is a photographer of apart from others not to hope to belong to the group of camera fan. But he admitted my website, RED BOOK NIKKOR. The first person who requests me to make the website of an English version is Vivek-san. He challenged reading this website of a Japanese version! It was 2001. Through the internet network, he offered me a lot of useful and rare technical information. I'd like to introduce his collection and his idea here. Vivek-san wrote the following manuscripts. Thank you very much Vivek-san. Domo Arigatoh!! ● ヴィベックさんからの最初のメール そういえば、こんなメールもあったねと、 彼が示してくれたのは2001年は11月28日付けの短いメッセージだった。 これが、ヴィベックさんからの最初のメールだ。
貴殿のウェブサイトを見ました。なかなか興味深いです。
私は、ウルトラマイクロニッコールのことだったら、なんでも興味があります。
日本語だと読めないので、できたら、英語で情報を出してもらえませんか。
よろしくお願いします。 Prologue
Dear Akiyama-san
● お気に入りの極超高解像力ニッコールレンズ 以下は、ウェブでの紹介にあたり、ヴィベックさんから届いたメッセージだ。 オランダのヴィベックです。こんにちは。 私のお気に入りの、極超高解像力ニッコールレンズについて、少しお話しましょう。 私が最初に購入した特殊ニッコールレンズは、ウルトラマイクロニッコール55mm F2.0です。 ちょうどその頃、特殊ニッコールに関する有益で詩的なウエッブサイト、 つまりこのサイトが登場してきたわけです。 おかげで、私の病気はさらに悪化することになったのです。 私の好きなレンズの1つに、抜群の高解像力を誇るCRTニッコール55mm F1.2 があります。 見た目が美しいレンズなのですが、実際は写してもスゴイです。 カラー写真に最適の、非常に解像力の高いレンズです。解像力は250本/mmを超えます。 私は実際に科学技術用の特殊なフィルムを使って、 公表されているレンズ性能が出ているか計測しました。 私は、ほとんどニコンF2にこのレンズを装着し、使っています。 しかしながら、そのレンズ性能の限界を引き出すには、 コニカの一眼レフカメラ、コニカオートレフレックスに装着するとよいでしょう。 またこのカメラは、ちょっとおもしろい機構をもっています。 同じフィルムを入れたまま、もちろん35ミリフルサイズでも撮影できるし、 切り替えレバーの操作で、ハーフサイズの撮影もできるのです。 About My Favorite High Resolution Nikkor Lenses At that time, I had just acquired my first Ultra Micro Nikkor, the 55mm F2 lens. From your informative, and poetical website on the special Nikkor lenses, my interests, certainly expanded. One of my favorite lenses, out of the vast high resolution, lenses is the CRT Nikkor 55mm F1.2 lens. Apart from being a beautiful lens, it is really a very high resolution (>250 lp/mm) lens for color photography. I mostly use it on my Nikon F2. However, to extract the most from its capacity, it is better used mounted on a Konica. The Konica camera this lens is mounted is no ordinary camera! This is the only 35mm reflex camera capable of full frame and half frame pictures on the same roll!
ところで、私は長年の研究により、 ウルトラマイクロニッコール55mm F2を使うのに最適のカメラを発見しました。 これもクラシックカメラですが、それはオリンパスペンFです。 有名なハーフサイズの一眼レフカメラですね。 オリンパスペンF用のオリジナルのレンズも、 100本/mmの解像力を持っていることがわかりました。 I found another classic, the Olympus Pen F reflex camera to be the best suited camera for using the Ultra Micro Nikkor 55mm F2 lens. Given the fact that most of the original Pen F lenses have >100 lp/mm resolution, this is fitting.
ウルトラマイクロニッコール30mm F1.2は、解像力で当時世界最高記録を出したモンスターレンズ。 彼のフレンド、オランダのピーター・ラウンズのコレクションだ。 ● 極超高解像力ニッコールレンズの世界を彷徨う ところでみなさん、これらの特別なレンズを使う楽しみ以外にも、 この探索はウェブや個人的に多くの素晴らしい友人を私にもたらしてくれました。 コレクションとして、あるいは実際に使用するために、 これらの特別なレンズを手にした方々は、その特別な特性と優れた品質について理解したいものです。 また、設計技術者、製造技術者たちのクラフトマンシップによって生まれた、 このような素晴らしいレンズを大切にしていくことを私は願っています。 このような素晴らしい情報を、世界中のカメラファンに発信してくださっている貴殿のご尽力に感謝いたします。 では、また。 ヴィベック・アイル(Vivek Iyer) Exploring the Deep Sea of Super High Resolution Nikkor World
Apart from the pleasure of using these special lenses,
this search has lead me to many wonderful friends through the web and in person.
I wish that people who come across these special lenses whether for collection or actual use,
would understand their special properties, appreciate the real quality of the craftsmanship
of the engineers who designed them and made them and cherish their beauty.
I am very grateful for your enormous effort to bring out the wonderful information to the
people world over!
なんと製造番号800001のCOMニッコール37mm F1.4だ。 どう考えても、第1号レンズということになる。すごい。 ● ウルトラマイクロニッコール55mm F2のリバース作法 さて、ここまでヴィベックさんのコメントを読んでいただいたが、 最近送られてきた作例写真を掲載したい。お花の写真だ。 ウルトラマイクロニッコール55mm F2を、リバースしてニコンF2にマウントしている。 これが正解だ。
じつは彼から、
「ハーフサイズだとちゃんと写るが、
35ミリフルサイズだと周辺が落ちる。どうしたらよいか」との連絡を受けた。 ウルトラマイクロニッコール55mm F2はライカスクリューマウントなので、 どうしてもそのままカメラにマウントしたくなる。 また、本サイトでもリバースせずにマウントしている姿を掲載している。 この点は、ちゃんと説明しないといけないと思っている。 ただし、ニコンD1XやD100のような、撮像素子が35ミリフルサイズ相当でないデジタル一眼レフには、 リバースしなくてもフレーム内できれいに結像する。 APSサイズのデジタル一眼レフには、こういう利点もある。 レンズのイメージサークルとカメラの関係は、注意しないといけない。
彼が最初のころ、
ウルトラマイクロニッコール55mm F2をハーフサイズカメラにマウントしていたのは、
こういった背景からだ。 Ultra Micro Nikkor 55mm F2 and Super Resolution Nikkor Sound
Please look at the following photo, a shot of Daisy at 4X:
A Shot of Daisy with Ultra Micro Nikkor 55mm F2 Special Thanks to Dr. Vivek Iyer
------------------------- ● 2021年のあとがき このコンテンツのオリジナルは2003年7月に公開したものです。 1999年9月に、当時では驚異的な低価格で登場したニコンD1はボディのみで65万円。 キヤノンのデジタル一眼レフ EOS D2000が198万円、EOS D6000が360万円という時代背景です。 当時は一般のアマチュアが購入できるような手頃な価格帯のデジタル一眼レフは発売となっていないため、 一眼レフとなるとまだフィルム式のカメラを使っていた時代です。 そういった背景をご理解ください。 2016年のサイト移転に伴う見直しにあたり、 原版から画像を再度切り出して、すこしばかりシャープに見えるように加工し直しました。
Copyright Michio Akiyama, Tokyo Japan 2003, 2021
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