Photographer Koda-san's Power Nikkor
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Gallery and Collection, Super Nikon Fans Social Club
Big Sharp Digital Engine, Super PB-4 and EL Nikkor
Photo: Copyright (c) 2004, Seiji Koda, All Rights Reserved.
Big Sharp Digital Engine
PB-4 and EL Nikkor Commercial Revolution
Commercial Photographer Koda-san's Power Nikkor Operation
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商業写真家のデジタル作法
ELニッコールレンズは、写真引伸し用途ばかりではない。
古くから商業写真家たちは、マクロ撮影に使っていたことが知られている。
とくに宝飾品の輝き、指輪などの小さいが精緻なワークを要求される撮影には、
ベローズの先にELニッコールが付いていた。
このレンズ群の基本性能と、値段に合わない高い画質を、身をもって知っていたからだ。
徳島県は徳島市で活躍されている商業写真家の幸田青滋氏を紹介したい。
幸田さんは、撮影機材もいろいろと工夫されて、日々商業写真家としてのワークを行っている。
写真家にとってデジタル化は、もうあたりまえの状況である。
鮮鋭でピントがキリリと引き締まった4×5判カンボSCN2システムによる商品撮影から、
時代の要求もフォーマットダウンとなり、
いまでは1100万画素クラスの高解像度デジタル一眼レフで
十分な撮影仕事ができるようになっているという。(注)
以下に撮影システムの製作について概要を紹介する。
(注)2016年注記。
本コンテンツは2004年11月に記事化したものであって、
デジタルカメラの性能など2004年当時の時代背景ということをご理解ください。
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ニコンPB-4改+ELニッコール
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幸田さんの撮影機条件は75mmのレンズが使えて前後共にシフト、ティルト、
スィング、ライズ、フォールの総てのムーブメントが可能なことだった。
さらにレボルビングも可能とするなど、構想は大きくふくらんだ。
第一次試作は、プロ写真家の仕事道具であるカンボSCN2をベースにした。
左の写真である。
ベローズは外してあるが、ELニッコールレンズの取り付け機構が収まっている。
このシステムで、デジタル一眼レフを装着し、
あおりをきかせたマクロ撮影が可能となった。
しかし、あまりにも大道具である。
Photo: (c) Seiji Koda
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次に試作したのが、
ニコンPB-4ベローズをベースにした軽量型システムだ。
まずPB-4のベローズを外した。
バックフォーカスを短くするために、
レンズユニットは前側マウントの後ろに置く構造になっている。
パーコレーターの茶こしの部分を削り出し、
レンズがすっぽり収まる仕組みだ。
本体とのジョイントパーツは塩ビ板。
遮光も兼ねている。
Photo: (c) Seiji Koda
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このストップ位置で無限遠が出ている。
さらに、どこに当たることもなく、
シフトにテイルトが目一杯可能である。
この後の作業は、
レンズの絞りリングを回しやすくするための延長リングを足すことだ。
Photo: (c) Seiji Koda
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完成間近だ。袋状のベローズを取り付ける直前。
この状態ではスイングシフトが可能だ。
カメラをレボルビングしてユニット全体を横倒しすれば、
スイングシフトとライズティルトを選択出来るわけだ。
巧妙な仕組みである。マウントされているレンズは、ELニッコール80mm F5.6。
Photo: (c) Seiji Koda
袋状のベローズを着せて、完成したのが下の写真。
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Super PB-4 and EL Nikkor, Japanese Tea Time
Photo: Copyright (c) 2004, Seiji Koda, All Rights Reserved.
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ニコンPB-4改+ELニッコールの作例
引伸ばしレンズELニッコール80mm F5.6による作例をご覧いただきたい。
ぴしっと、部分のみにピントがシャープに出た瓦。
茶道具の雰囲気のある作例である。
カラーの発色も、天然色そのものである。これが、ELニッコール80mm F5.6なのだ。
極超高解像力の対極にある、美しいボケ味にも注目してみたい。
Japanese Old Kawara Roof by EL Nikkor 80mm F5.6
Photo: Copyright (c) 2004, Seiji Koda, All Rights Reserved.
Japanese Tea Room by EL Nikkor 80mm F5.6
Photo: Copyright (c) 2004, Seiji Koda, All Rights Reserved.
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簡易型フルベローズ+ELニッコール
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さて、最後の試作機のコンセプトは、
小型・軽量、低予算・高出力、簡易型のフルベローズだ。
プロの仕事は、写真の出来上がりがすべてである。
ベースは初期のペンタックス製べローズ。
これはレボルビング可能な製品で、しかも小型軽量で使い良い。
ホームセンターで買った"ちょうつがい"も重要なパーツだ。
Photo: (c) Seiji Koda
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工作は、さらにステップアップリングを2個。
あとは、スプリングにネジとナットの小物である。
これらを組み上げると、ご覧のとおり。
ELニッコール75mm F4でも、無限遠からスイングティルトが可能なのだ。
A4程度の仕上がり印刷物撮影には、十分すぎるパワーを持つ。
ここだけの話、B1大のポスターにも使える実力を秘めているのである。
Photo: (c) Seiji Koda
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簡易型フルベローズによる作例を見ていただこう。
被写体は、ユズである。ユズといっても、ここはこだわりたい。
ユズは、高知県馬路村の特産品として有名だが、
栽培ものでない野生のユズなのである。
幸田さんのお話によると、
「馬路村に遠い親戚がいて、無理を言って野生のユズを送って頂いています。
あのごつごつした表皮、房の中はほとんど種子で、わずかな果汁が採れるだけです。
品種改良され栽培されている物と比較しても、味、香りは変わりませんが、何となく好きなのです。
小振りで、表皮の傷など至るところに有り、自然を生き抜いてきた古傷の様でそこが好きなのです。
野生物の収穫は急傾斜地で大変らしく、「自分で摘果に来い」と催促されています(^_^)」
とのことである。
作例は、ELニッコール75mm F4をこの簡易型フルベローズで、あおり撮影したものだ。
開放絞りでも、上下のユズのヘタの部分にピントを合わせている(左の写真)。
さらに絞ると、ユズの商業写真となる(右の写真)。
原図はきわめてシャープで、原子核まで写っている描写である。
ウェブ掲載のために画像を縮小し軽くしたため、
オリジナルの精密さを紹介できない点はお許しいただきたい。
ともかく、4×5判で撮影されたようなクオリティなのである。
Japanese Yuzu Fruits by EL Nikkor 75mm F4
Photo: Copyright (c) 2004, Seiji Koda, All Rights Reserved.
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幸田さんの仕事写真
最後に商業写真家としての、幸田さんの仕事を紹介したい。
徳島市文化センターで開催されたシンポジウムの大型ポスターである。
カマキリの画像がユニークであるが、
ここで使用されている写真は、幸田さんが飼育されているカマキリがモデルである。
写真家は、カマキリの飼育にも詳しくなくてはならないのだ。
Seiji Koda's Serious Work Big Commercial Poster
Photo: Copyright (c) 2004, Seiji Koda, All Rights Reserved.
ポスター画像の掲載許可承認済み
Special Thanks to Mr. Seiji Koda
幸田さん、画像の提供とコメントありがとうございました。
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Photo Images : Mr. Seiji Koda, Japan
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2020年のあとがき
このコンテンツのオリジナルは2004年11月に公開したものです。
2016年の見直しにあたり、一部の画像を再調整しました。
文章中に注記を入れましたが、2004年11月当時ですと、ニコンのデジタル一眼レフの最上位機種はニコンD2H。
DXフォーマットで有効画素数は4.1メガピクセル(410万画素)。
コマーシャル写真でも使われ出した頃でしょうか。
フルサイズ機は2007年11月発売のニコンD3まで待たねばならず、そんな時代背景をご理解ください。
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Copyright Akiyama Michio, Tokyo Japan 2004, 2020
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