EL Nikkor 150mm F5.6
Precise Visual Beauty EL Nikkor 150mm F5.6 Casual Telephoto EL Nikkor
EL Nikkor 150mm F5.6 ● はじめに 手元に初期の淀橋写真商会(現在のヨドバシカメラ)の現金大特価相場表がある。 オールドファンにはなつかしい黄色い大きな紙 1枚の価格表だ。 その昭和48年(1973年)2月上旬付けの古文書にエルニッコールが出ているか調べてみた。 50ミリから 135ミリまでのレンズが掲載されているがその上がない。 135ミリは汎用のライカL39スクリューマウント。 高級アマチュアでも上限はここまでだったのだろう。 この上のレンズとなると 4×5インチ判以上用で、 装置に取り付けるための専用座金が付いている。マウントのネジ径も大型化する。 さすがに 4×5インチ判以上の引き伸し機はイタリアのダースト社製 Laborator とか、 米国のオメガ社製のそれなど、そのサイズも重量も巨大となり、 ここらあたりからラボ向けで職業写真人の世界となる。
EL Nikkor 150mm F5.6 EL ニッコール 150mm F5.6は 4×5インチ判用の引き伸しレンズである。 焦点距離 150ミリのレンズ。 あまりなじみがない焦点距離のように思えるが、 ハッセルブラッド用のザイス・ソナー 150mm F4の白鏡胴レンズはその存在感とともに有名だ。 35ミリライカ判スタンダード・フォーマットで、 焦点距離 150ミリのレンズとなると分類的には中望遠レンズと言える。 ニコンの 35ミリ判写真撮影用レンズには、焦点距離 150ミリの製品はない。 もちろん、プリンティング・ニッコール 150mm F2.8 を所有しているので知っているし、 大判用ニッコールレンズに 150ミリがあることは承知しているが、 あくまで 35ミリ判写真撮影用レンズの話なのでここでは議論しない。 なお日本国製に目を向けると、 SMC PENTAX-M 150mm F3.5 など、さすがはペンタックスという気合の入ったレンズが存在する。 EL ニッコール 150mm F5.6。 大判写真機用なのでかなり限られた層で使われていたと思われる。 しかし昨今では写真関連業の方からの放出もあり、中古市場で見かけることがよくある。 意外と入手はしやすいと思う。
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● あとがき 本記事の初稿は2022年4月にリリースしました。
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