June 2007, Nikon Kenkyukai

Mr. Ryosuke Mori's Study, Ritsumeikan University

June 16, 2007
Nikon Kenkyukai Tokyo Meeting
A History of Japanese
Camera Technology

日本科学史学会

2007年5月27日。 京都産業大学で、「日本科学史学会」の第54回年会・総会が開催されました。 森亮資(もりりょうすけ)氏は、E会場において、 "戦前、戦中期における「高級35ミリ精密カメラ」開発史の研究" とのタイトルで、発表を行いました。

2007年6月16日。 ニコン研究会は森亮資氏においでいただき、話を聞く会を設定しました。 会場は東京湾に近い勝どき。 6月の夏景色には、近代史がおもしろいのです。

東京・勝どき

6月の夏ニコン研究会

森亮資氏の研究テーマ

今回の講義は、日本科学史学会での講演内容に加えて、 「ここだけの話」をお願いしました。 レジュメのタイトルは、 「戦前、戦中期における高級35ミリ精密カメラ開発史の研究」です。 本研究は、戦前期における日本の「高級35ミリ精密カメラ」 開発の通説を明らかにすることで、 戦後に飛躍的発展を遂げた日本カメラ産業の歴史的な礎の一端を解明すること を目的としています。

A History of Japanese Camera Technology - Reference to High Class 35mm Precision Cameras Development, from Prewar to Wartime

森亮資氏

ニコン研究会 VS 森亮資氏

カメラ近代史から幻のクワノン

吉田五郎の夢とクワノン写真機

ニコ研との熱い議論が続きました

幻の試作機「クワノン」

これは森亮資氏が企画製作した、 幻の試作機「クワノン」カメラのモックアップ(木型模型)です。 沈胴も本物と同じように可動します。 レンズ部はエルマーのような鏡玉が納まっています。 本物のカシャパから外したものではないようでした。 魂を込めたモノの作りこみは、仏師の仕事と聞きました。

『潜水艦ハ伊號、飛行機ハ九二式、カメラハ KWANON、皆世界一』
有名な広告のコピーです。 アサヒカメラの、昭和9年(1934年)6月号に掲載された大胆な広告は、 日本写真機史に輝くアートディレクションとなっています。

幻の試作機「クワノン」のモックアップ

幻の試作機「クワノン」ではありますが、吉田五郎の証言記録など、 まだまだ謎の部分が多く(というか分かっていることが少ない)、 ごく最近、世界市場に出現した「クワノン」の考察は、 ここだけの話ということで、熱いタイトルの講演は盛り上がったのでありました。

真贋論争で重要なことは、「本物」の合理的な定義が確立されていることであって、 本物より優れたにせもののような本物は本物ではないということなのです。 森亮資氏はもちろん、ニコン研究会会員も「幻の試作機」という言葉によわいのです。

初夏の反省会

月島にある有名な高級シーフードレストラン・カジュアルバー「魚仁」。 別名居酒屋「魚仁」。 冷たいものでも飲みながら、カメラ談義の続編が続きました。 裸電球が涼しい初夏の宵。

日本の伝統美「裸電球」

レストランの中は活気にあふれている

刺身大盛り

冷たい生ビール

ウニが大きな木箱ごと出てきました

月島・魚仁 2007年初夏の映像

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