Mr. Kenji Toyoda
Nikon Kenkyukai Tokyo Meeting Super Live in JCII Camera Museum
東京・半蔵門
日本カメラ博物館
半蔵門 JCII ビル ● ニコンSPスペシャル 東京・半蔵門。12月は日本カメラ博物館。 ニコン研究会の主催で、豊田堅二氏の特別講演会が開催されました。 講演会はネットで開催を告知し、一般のニコンファンの方々にも参加していただきました。 講演会に先立って、 ニコン研究会会員所有のニコンSPのコレクションの公開です。 オリジナルのブラックボデイばかりが集まりました。 白ボデイも登場しましたが、なんと未使用・元箱入りの博物館コンディション。 すばらしいニコンコレクションを見ていただいてから、 豊田堅二氏の講演が始まりました。
ニコンSPオリジナル・ブラックのコレクション(ニコ研会員コレクション)
ニッコール35mm F1.8付きニコンSP(ニコ研会員コレクション)
ニッコール2.5cm F4付きニコンSP(ニコ研会員コレクション)
ニコンSPのクロームボデイ新品(ニコ研会員コレクション)
シャッター幕のカバーもこの通り当時のまま(ニコ研会員コレクション) ● 豊田堅二氏特別講演会 豊田堅二氏といえばニコンです。 株式会社ニコンのウエブサイトには、「ニコンファミリーの従姉妹たち」のタイトルで、 22回におよぶ連載記事が掲載されました。 あまり話題にならなかった多彩なニコンカメラたちにスポットを当てた物語を読むことができ、 書籍化されました。 豊田堅二氏の著書はたくさんあります。 最近のものだけでも、「カメラの雑学図鑑」、「図解カメラのしくみ」、 「入門金属カメラオールガイド」、「ニコンファミリーの従姉妹たち」、などなど。 古くからのニコンファンは、とよけんさんと呼んでいます。
JCII Camera Museum
プロフィールを紹介される豊田堅二氏
たのしいニコン開発物語をにこやかに語る豊田堅二氏
豊田堅二氏の熱い話に聞き入る来場者の方々 豊田堅二氏の講演は、ニコンカメラ開発にまつわるエピソードを中心に、 じつに興味深くおもしろい物語でした。 講演は、氏がニコンに勤務していた時代の記録であり、 以下の内容を掘り下げたものです。
- 当時のカメラ設計部 2人の奇人とは、 興味があることにはものすごい集中力と熱情を持った技術者たちのエピソードです。 メカ設計の天才は山田武夫氏。 ニコンF用フォトミックFTnのパンタグラフ機構や、 ニコンF2がデビューした当時にAFニッコール80mm F4.5を設計しました。 そしてレンズ設計の天才は脇本善司氏。 ウルトラマイクロニッコールほか数々の名レンズを設計しています。
かぶりつきの参加者 ● 更田ボックスから ニコンファンにとっては興味深いお話ばかりですから、 時間はあっという間にすぎました。 2時間の講演の最後には、秘蔵のコレクションを見せていただきました。
なにやら秘蔵のコレクションを取り出す豊田さん ニコンF開発の責任者として有名な更田正彦氏。 その更田氏から受け継がれてきたというジャンク箱。通称”更田ボックス”。 カメラやレンズの部品、ガラクタに混ざって出てきたのが、このレンズ。 幻のニッコール・ホワイトです。
それは小さいレンズでした ノギスと比較してみると分かりますが、とても小さく精緻なレンズなのです。 鏡胴には、NIKKOR-WHITE.C 35mm F3.5 No. 91231 と、 ごく小さい文字で刻印が入っています。 マウントの裏側には、目立たない小さい文字で、 Made in Occupied Japan と刻印が読み取れます。 当時流行していたステレオカメラにマウントする目的で試作されたレンズとのことです。
幻のニッコール・ホワイト!!
焦点距離 35mm F3.5の小さいレンズ
製造番号 No. 91231 の刻印 なお、更田ボックスは、更田正彦氏から中村重弥氏に手渡され、 さらに中村重弥氏から豊田堅二氏に引き継がれたとのことです。 中村重弥氏は、豊田氏がニコンで若手技術者として活躍されていた当時、 カメラ設計部の第二設計課および第三設計課の課長だった方です。 後に日本光学工業株式会社常務取締役になられています。 満員となった会場では、たくさんの質問やらニコン製品への要望などが出ました。 講演会は大きな盛り上がりのなか、夕刻 5時に終了となりました。 会員以外からも多数ご来場いただき、参加者の方々には満足していただけたようです。 ● 師走の銀座 さて会場を半蔵門から銀座に移し、豊田氏をまじえての夕食会となりました。 銀座は師走。クリスマスのにぎわいです。 銀座五丁目のフレンチ・レストラン清月堂 LINTARO の個室をリザーブしました。 ちょうど午後 6時には全員が着席となりました。
素敵な宴のはじまり まずはビールで乾杯となりました。 白ワインと赤ワインのグラスが並んでいます。 さらには発売されたばかりのニコンD200が何台もテーブルの上に並びます。 VRレンズのピタリ止まりぐあいを実感できました。 同時に、S型ニコン・コレクションもテーブルに並び、カメラ談義の体制が整いました。
師走の銀座でディナー
冷製の前菜からはじまり、
白と赤のワインが開けられサーブされるころには、ディープなニコンカメラ談義は全開となりました。
話に夢中になってしまい、魚料理にサラダほかいくつかの料理の写真を撮り忘れました。
いつまでも続く楽しい語らい 豊田堅二様には、ご講演おつかれさまでした。 たいへん貴重でたのしいお話を聞かせていただき、ありがとうございました。 また、来場された一般のニコンファンのみなさま、お集まりいただきありがとうございました。
Copyright Michio Akiyama, Tokyo Japan 2005, 2023 |