Japanese Imperial Army Optical Weapons
Nikon Kenkyukai Tokyo Meeting Japanese Imperial Army Optical Weapons Nikon Digital Classic Kogaku Seiki Nippon
ニコン研究会 2005年8月 ● 大日本帝国陸軍御用達 夏八月。 夏空に木陰も盛夏でニコン研究会。 いつもの通り銀座近くの会議室に、 クルマからなにやら木箱とか機器類が降ろされ、台車で運び込まれました。 頑丈な収納木箱に入った、旧大日本帝国陸軍かんれんの光学兵器の数々。 今回も、ユニークなコレクションが登場します。
陸地測量系および地上標定系の美しいコレクション さて、日本光学製地上標定機の世界的なコレクターである、 猫洞まこと氏が持ち込んだ重量級コレクションを紹介してみましょう。 黒塗装の機器は、潜望式経緯儀。 これは砲兵用の測地器材で、望遠鏡の頭部に潜望鏡を装着するようになっています。 天頂プリズムにサングラスまでついていることから、 太陽の位置で天測も行われたことが分かります。 この機械は東京光学製です。
東京光学製潜望式経緯儀
地上標定機の収納堅木箱は堅牢で非常に重い
オプションがコンパクトに収まる地上標定機の木箱 国防色に塗装された、精緻な造りの光学装置は日本光学製の地上標定機。 砲兵弾着観測用。目盛は密位(全周6400等分)になっていて、 望遠鏡はポロプリズムを使った倍率10倍。 標定用が測地用と異なる点は、正立像であること。 とにかく重たい。 装置そのものも重たいのですが、 金属で補強された木製収納箱も、異常に重たいのです。 木箱には背負うように加工された革製のベルトが取り付けられていますが、 まさかこれを背負って歩いたのでしょうか。
陸軍カラーに塗装されている日本光学製地上標定機
精密光学兵器の美しい様式美
ポロプリズムには日本光学マーク
台座にも光学マークにJESねぢの刻印は暗号めいている
重量級の日本光学製方向盤 いちばん大きい機器が、日本光学製の方向盤と思われる装置です。 光学系は大変にすばらしいものであって、 正立の90度プリズムに70度の広視野アイピース、 1倍の照準にはペンタプリズムの正立系が使われているハイスペックな光学兵器です。 いずれも歴史的価値の高いものです。
国防色の接眼部には光学マーク
いまだ鮮明に見える1倍の照準器にはペンタプリズムの正立系 ● ニコン・デジタル・クラシック 先月の例会では、フィルムダイレクト電送装置を特集しました。 新しくて古い、ニコン・デジタル・クラシックの世界は、 世界でもあまり研究例がありません。 誰もやらないならばニコン研究会ということになり、 今月は、ニコンのデジタル一眼レフカメラを検証してみました。 ここで紹介するカメラはすべて、 ニコン・デジタル・クラシックの世界的なコレクターである会員が、 お一人で持ち込まれたものです。
ずらり勢揃いのニコン・デジタル・クラシック
きわめて美しいデザインの報道用スチルビデオカメラQV-1000C いま話題の報道用スチルビデオカメラ「QV-1000C」もテーブルの上に並びました。 QV-1000Cは、プレス用に開発・販売されたプロフェッショナルモデルです。 実物を手にしてみると、プラスチックのように見えるボデイは、 じつは造りのよい金属製。ファインダーの明るさとキレには驚愕します。 製品化を進めた豊田 堅二氏の言及によりますと、生産台数はわずか180数台足らず。 実は稀少な限定生産カメラなのです。
QV Nikkor 10〜40mm F1.4とQV Nikkor ED11〜120mm F2.0フルセット
マウント部は金の電気接点とごく小さいミラーに注目
くじら、別名トドと言われたE2/E3シリーズ勢揃い
ニコン・デジタル・クラシックのマニヤの間で、
くじら、あるいはトドと称されているカメラがニコンE2/E3シリーズです。
ニコンと富士写真フイルム(株)の共同開発によって生まれた
縮小光学系搭載の一眼レフタイプのデジタルスチルカメラです。 それにしても、当時の価格には驚きます。 DS-505(ニコンE2)は定価110万円。DS-515(ニコンE2s)は定価140万円。 そして、DS-565(ニコンE3s)は安くなったとはいえ定価98万円だったのです。
業務用モデルと市販モデルの違い
珍しいD1XダミーとD1ダミーモデル
F5がベースのコダック製業務用モデル ● プリンティング・ニッコール 工業用ニッコールレンズ特集の第4回です。 今回、工業用ニッコールレンズ研究家の秋山満夫が持ち込んだのは、 プリンティング・ニッコール150mm F2.8と105mm F2.8です。
プリンティング・ニッコール150mm F2.8と105mm F2.8
プリンティング・ニッコール150mm F2.8
プリンティング・ニッコール105mm F2.8
一眼レフに装着したプリンティング・ニッコール150mm F2.8 ● ニコンM型の研究 継続しているテーマ「ニコン距離計カメラの研究」を進めていきましょう。 最近では、 新しいレファレンスブック「ニコンカメラ(朝日ソノラマ:落合泰之 著)」をベースに、 現物との照合、関連資料との比較等を行い、理解を深めています。 今月はニコンM型の構造、外観の変遷等について検証を進めました。 ニコンM型のレンズを確認してみます。 初期型には、5cm F2 (NO. 811xx)。 そして中期型には、5cm F1.5 (No. 905xx、No. 907xx)。 さらに後期型には、5cm F1.4 (No. 5005xx)等が組み合わせて、当時販売されていました。
左に5cm F2付きM型 右に5cm F1.4付きM型 最初の写真をご覧ください。 左上に5cm F2 (NO. 811xx)付きのニコンM型。 右上に5cm F1.4 (No. 5005xx)付きのニコンM型。 右下にあるレンズは、5cm F1.4 (No. 5008xx)です。 写真の2枚目は、5cm F1.4 (No. 5005xx)専用のかぶせフィルター元箱入りフルセットです。 テーブルの上には、整備されてコンディションのよいS型ニコンが並びました。 60余年の時を経てなおもクロームめっきは美しく輝くのでした。
5cm F1.4レンズ用かぶせフィルター元箱入りフルセット
5cm F1.4レンズ用かぶせフィルター
美しいクロームS型ニコン
分かる人には分かるS2の珍品 ● ナイス・ミーテンング さて今回も、中身の濃い、めったに見ることのできない逸品が集合した例会でした。 メインテーマの説明と研究も終わり、 冷たいドリンクなど飲んで雑談がはじまります。 そういうときにかぎって、危険物を紹介する方もいます。 ニコン研究会の会員がポケットから取り出したのが、幻のニッポン号。
日本製ライカコピー機の原点とも言える、光学精機社のニッポンについては、 クラシックカメラ専科 No. 58 ライカブック'01 で、森 亮資氏が詳しい記事を掲載されています。 距離計非連動型のニッポンはご存知の通り、非常に数が少ない稀少な小型写真機です。 以下に解説記事を書いていだきました。 ● 幻のニッポン号
森 亮資氏による解説記事はこちらです。
→
幻のニッポン稀少な戦中型
底蓋を外したニッポン
ニッコール5cm F4.5付きニッポン号
ニッポン
コンクールコンディションのニッコール5cm F4.5 Nr. 50516
Copyright Michio Akiyama, Tokyo Japan 2005, 2022 |