Reflex Nikkor 1000mm F6.3 Big Bazooka
Nikon Kenkyukai Tokyo Meeting Bazooka 1000mm F6.3 Nikon F Deep Research W-Nikkor 2.8cm F3.5
ビッグバズーカ・ミーティング ● SP復刻発表の1月 ニコンSP復刻モデルのプレス発表があったのは2005年1月14日。 よく、1月15日。絶好のタイミングで、ニコン研究会の例会が開催されました。 すでに会員は、東京エリアに1台しかない ニコンSP復刻版のワーキング・モデル を取材してきました。 ホットな取材の報告があり、そしていつも通りの進行で、 興味深いニコンのレンズとカメラを検証していきました。 まず手始めに、初期のミクロン型双眼鏡が登場しました。 クロームめっきの美しい重量感のあるモデルです。 いまだに実用価値十分の能力を持つ、散歩用、博物館見学用のポケット双眼鏡なのです。 ミクロンについては、これからまだ、詳細の研究を進める予定です。 シリーズで研究をしていったSマウント用ニッコールレンズ。 今月のテーマは、W-ニッコール2.8cm F3.5です。 美しいクローム仕上げのレンズには、クロームボデイ。 重厚なブラック仕上げのレンズには、黒塗りボデイが似合います。 それぞれ、W-ニッコール2.8cm F3.5をマウントしたニコンには、 専用のファインダーが搭載されています。 なお、クロームボディに搭載されているファインダーの、 2.8cmアタッチメントレンズはサードパーティー製でありますが、 参考のため登場していただきました。
クロームめっきの美しいミクロン軍団
W-ニッコール 2.8cm F3.5 No. 712799
2.8cmのレンズアタッチメント付きファインダー
ファインダー接眼部の美しい刻印
W-ニッコール 2.8cm F3.5 No. 718444
黒塗装は純正の2.8cmレンズアタッチメント付き
ブラックニコンS2にピタリ2.8cm F3.5背面の美しさ
ニコンS2にキヤノンの2.8cm F3.5です
W-ニッコール 2.8cm F3.5 No. 346363とNo. 719318
2.8cmアタッチメント付ズームファインダー(右端)も揃って壮観
ニコンSP復刻モデルのカタログです ● ニコンFの内部構造 ニコンFのディープな研究です。 ファインダースクリーンが収まる部分の高さ調整用のシムです。 部品番号は、20FB1-2106 となっています。 厚さ100分の1単位の薄い金属板を打ち抜いたものです。 専用のパーツケースには、 0.05, 0.06, 0.07, 0.08, 0.09, 0.10, 0.11, 0.12mm の厚さで仕分けられ、 調整用のシムが収まっています。 本当に、このような精度が出ているのでしょうか。 1000分の1ミリ単位で計測できる、ミツトヨのデジタル・マイクロメーターを使って実測です。 ここまでやるかの世界です。 まずデジタル・マイクロメーターをギリギリの精度でチューニングします。 この状態で調整用シムの厚さを測ると、たしかにピタリと精度が出ています。 日本光学は、2〜3枚のシムを使ってこんな隠れたところの精度を確保しながら、 ニコンFを組み立てていたわけです。 ファインダーは肉眼で見るものです。 スクリーンの高さ位置が100分の1ミリ上下したところで、ヒトの目には分かりません。 一同感心するやら、ここまでやるかとあきれるやら、 ニコンFのディープな研究が続きました。
パーツケースに入った調整用シム (部品番号 20FB1-2106)
ミラーボックスを確認しています
デジタル・マイクロメーターを基準原器でチューニング
ピタリと精度が出ているファインダースクリーン部の調整用シム ● バズーカ・ニッコール Fマウント用ニッコールレンズの最右翼はバズーカ・ニッコールこと、 レフレックス・ニッコール1000mm F6.3となります。 はじめはSマウントのレンズとして、1960年に発売になっています。 製造番号が631000で始まるレンズは、 N-Fリングを使わないFマウント専用レンズです。 特殊なレンズだけに、製造本数は50本程度といわれています。 報道機関や、外国では沿岸警備、国境警察隊が使っていたという話を関係者から聞きました。 過酷な使命を持ったレンズですが、 現存数はきわめて少なく、大規模な中古カメラ市でもまず目にすることはないでしょう。 インターネットの画像や、書籍の写真でも鮮明な画像がない、 つまり現物が用意できないレンズなのです。 ニコンF研究家の鈴木昭彦氏が持ち込んだのは、 グレイの金属製収納箱に収まったレフレックス・ニッコール1000mm F6.3 No. 631047です。 レンズだけでも重量は10キロ。 どしりと置かれた迫力のカスグラン鏡をごらんください。
専用の巨大なメタルケース
Sマウント用レンズと同じ銘板か焦点距離はセンチ表示
専用レンズフードも巨大な板金製
研磨平面ガラスが埋め込まれたレンズ全面とミリ表示の刻印
1000ミリ F6.3と小型カメラ
あたりを圧倒する存在感と重量の1000ミリ F6.3
スムーズに動くベローズ部はFマウント
サターンV型S-IVB第二段ロケットのような背面にはフィルターポケット
Copyright Michio Akiyama, Tokyo Japan 2005, 2022 |