April 2024, Nikon Kenkyukai

Hatchobori Tokyo

April 20, 2024
Nikon Kenkyukai Tokyo Meeting
Nikon F3 PRESS
Kakkoii Lenses
Enjoying the Nikon D Series
Nikon Z and Gorgeous Nikkor Lenses
PC MICRO NIKKOR 85mm F2.8D

April 2024, Nikon Kenkyukai Tokyo Meeting

ニコン F3 報道機材課正規改造機

赤山シュウさんが、若気の至りで日本光学の報道機材課で正規にプレス改造したニコン F3を見せていただきました。 ベースはノーマルのニコン F3。防滴処理ほか武装級のカスタマイズで報道仕様に変貌しています。

なぜ防滴処理なのか。赤山さんの F3にかんするエピソードの数々。 女優の和泉雅子さんの北極点到達写真展。 新聞社写真部デスクからの取材命令を受けて、会場へ向かう途中でどしゃ降りの雨に遭遇。 すっかり雨に濡れてしまったニコン F3。 写真展の会場で F3のシャッターが切れないトラブルが発生(原因は後述)。 焦っている赤山さんに和泉雅子さんは 「緊急シャッターレバー使ったらいかが」と優しく教えてくれたという。 元祖アイドル女優は極地探検用ニコン F3特装機の愛用者なのであります。

AKAYAMA NIKON F3 PRESS

ニコン F3 報道改

さて、このプレス改造したニコン F3。 ある時訳あって泣く泣く市内のカメラ店に売却してしまったそうです。 それから幾年月。約10年が経過。10年ですよ、10年。 赤山さんは馴染みのカメラ修理店の中古コーナーの棚になにか見覚えのある F3を発見。 なんと昔ほかの店に売却してしまった F3そのものだったのです。

さらなる出会いに驚き買い戻すことになりました。 その F3がこれなのです。報道機材課で正規にプレス改造したニコン F3。 赤山さんの手に戻ってきたのは偶然ではなく必然だったのでしょう。 聞けば 3時間、語れば半日コースのドラマチックなニコン苦節感動物語なのです。

モータードライブ MD-4 報道用受注生産モデル

フィルムカウンターの数字と指標が白色

特設ストロボシュー

特設フィルムガイドローラー

ノーマルと特装機の裏蓋

撤去された裏蓋開閉ロックレバー

特設イルミネーター・マイクロスイッチ

ニコン F3 改造機の詳細

ニコン研究会会員の IGAさんが、このあたりについて、 ご自身のブログ「カメラの自由研究」で詳しくマニアックに言及していますので紹介します。

ニコン F3 の改造
ニコン F3 の改造(アクセサリー編)
ニコン F3P
ニコン F3 Limited
ニコン F3 初期型 1
ニコン F3 初期型 2

レンズ拝見

VILTROX AF 20mm F2.8 Z

HI TOPCOR 55mm F1.8

HI TOPCOR 55mm F1.8

Nikkor 28-70mm F3.5-4.5

SUPER YASHINON-R 10cm F2.8

SUPER YASHINON-R 10cm F2.8

YASHICA ML 50mm F1.9

ニコン D シリーズの楽しみ方

ニコン D40

ニコン D70S

ニコン 1 J1

ニコン Z 機の装備研究

Nikon Kenkyukai Tokyo Meeting

NIKKOR Z 24-120mm F4 S

Nikon Z 9

Nikon Z 7

Nikon Z f と SONY FX3

Nikon Z f と Nikon Z 7

PC MICRO NIKKOR 85mm F2.8D

その後の場外編 1

本例会レポートを公開したところ大きな反響がありました。 ニコン F3 のイルミネーター・マイクロスイッチ改造は、 なんとあのミスターニコンこと後藤哲朗さんの仕事だったことが判明しました。

特設イルミネーター・マイクロスイッチ

ニコン F3 の画像を見た後藤さんから、 「懐かしい!!!ちゃんと残っているのですね。手持ちのスイッチを使って僕が改造したヤツです。 同じスイッチをプロサポートに供給しましたので、その後に量産(?)した機体かも知れませんが。」 とのコメントをいただきました。

さらに続けて、 「赤山さんのでしたか!なお報道機材が受けても、初期は僕に改造依頼が届きましたよ。 スライドスイッチだけでなく、極小のトグルスイッチのも作りました。 じつに懐かしい!!」

初耳でした。このお話は一般公知の雑誌等の情報を精査しても、どこにも記載がなく記録が残っていません。 あのマイクロスイッチ改造機は後藤さんが発案されたとは。 しかも報道機材課から受けて後藤さんが自ら改造作業したという話に驚愕です。 まさに現代の重要文化財クラスのカメラなのです。

その後の場外編 2

赤山シュウさんから追加でエピソードおよび改造項目を教えていただきました。

F3 にマイクロスイッチを取り付ける改造を報道機材課に発注する際に、 「もしも使用していてマイクロスイッチが壊れたとしたら基板一枚全部交換する事になりますが、 それでも大丈夫ですか?そこのところに細心の注意を払って使用してください。」 と念を押された憶えがあります。

その改造をしていただいたのは、私が複数所有している F3たちの中で 先日ニコン研究会に持参したあの F3ボディだけでした。 あの F3ボディは、他にもセルフタイマー機構外しが施してあります。 これは和泉雅子さんを撮影した際に、 毛細管現象で水分がカメラボディ内に浸透してセルフタイマー機構が ONになってしまい、 普通にシャッターが切れなくなってしまったからです。

また、フィルムカウンターの 12枚目、20枚目、24枚目、36枚目の指標が赤点で印刷してある F3Pや F3/Tの部品とは異なる特別な文字盤で、 全数字と指標が白文字印刷してある特別な部品に換装してあります。 これは薄暮や暗所での撮影時にフィルムカウンターの文字を見やすくするためです。 さらにフィルムカウンターが 1になるまでの 1/80シャッター固定機構も外してあります。 あの F3には特別な思い出がたくさん詰まっています。

とのことでした。ニコンには物語があります。

このお話は赤山さんの YouTube 動画「赤山シュウちゃんねる」で見てみましょう。
2022年 8月25日公開分
https://youtu.be/pWPM2Ua-7LU

Nikonと私「私の初めての仕事カメラ Nikon F3 報道改」

その後の場外編 3

ニコン研究会の月例会レポートは 1回アップしたら、 誤りの訂正は別として、めったにアップデートを行うことはありません。 しかしながら、今回このニコン F3P報道改の話題は別で、 公開直後からいろいろと新しい事実の発掘・発見が続きました。

赤山さんの YouTube 動画「赤山シュウちゃんねる」では、 新たに番組が製作されましたので紹介します。 語れば 3日はかかる内容を、46分の短い動画にまとめてあります。
2024年 5月 9日公開分
https://www.youtube.com/watch?v=oE1KjtSZb2I

Nikonトーク!ニコンF3報道改のヒミツ!
長年愛用の私のF3のイルミネーターロックスイッチの秘密が明らかに?

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