September 2023, Nikon Kenkyukai

ニコン研究会 2023年 9月例会

September 16, 2023
Nikon Kenkyukai Tokyo Meeting
Nikon Radio Control Set
Transmitter and Receiver
Nikon MW-1 and MW-2
Nikon MEDIA PORT UP300x
Nikon Z 30 and F-801
Nocf-NIKKOR and Noct-NIKKOR

September 2023, Nikon Kenkyukai Tokyo Meeting

九月の東京

新宿はいつも工事中です。 西口広場の天井は黒くむき出しでずっと長きに工事中。 旧スバルビル方面を望む風景は激変のランドスケープ。

東京・新宿

東京・八丁堀

本の森ちゅうおう

ニコン研究会はコロナの影響で、2020年2月から2023年4月まで 3年間例会の開催を休止していました。 2023年5月。例会を再開して驚いたのは街の風景が変わっていたことです。 約20年に渡り塀で囲まれていた空き地が、モダンな図書館になっていました。

ニコンのラジコン大集合

ニコンのラジコン装置がコレクションテーブルの上にズラリと並びました。 本サイトを支持してくださる10代の読者様にはナンダコレの世界だと思います。

一眼レフカメラといえばフィルム式しかなかった時代の話です。 モータードライブを装着したニコンF用に、遠隔操作でカメラのシャッターを切る装置が開発されました。 「ニコン無線操作装置」です。

ニコン・ラジオコントロール装置

初代ニコン無線操作装置

初代ニコン無線操作装置については、 ニコン研究会 2006年11月のレポートで、会員の鈴木昭彦さんが詳しく解説しています。 説明の一部を以下に転載します。

ニコン無線操作装置

今回の画像の無線装置はカタログに登場した無線装置としては、 三番目の形状をしており、実際販売が確認されている機種です。 この装置は、モータードライブ用のリレーボックスを使用すれば、 ニコンF以外でもSPやS3M、S2Eにも使用することが出来ます。 ニコンFの直結バッテリーボックスには、 この受信装置から直接配線して作動させることも可能で、 この個体はそのように改造されていました。

この装置は、一度に 2台のカメラを操作することが出来ます。 ただし、一コマ撮り、連続撮りは無線装置では変更できず、 カメラに結線してあるリレーボックス、あるいは直結式電池ケースのスイッチを、 事前にセットすることにより設定します。 脇に 3つの同じ形をしたスイッチによって 2台の操作をします。

アウトプット 1に結線してあるカメラを操作する場合は、1のボタン。 同様にアウトプット 2のカメラは 2のボタン。 同時に 2台作動させる場合は 3のボタンを押して操作します。 遠隔操作ですので、連続撮りの場合はスイッチを離しても一コマ余計に 撮影されてしまう事があると注意書きがあります。 到達距離は、最良条件で 1km、市街地で約 300m(障害物により大幅に短縮される)。

無線操作装置は調査対象が非常に少ないので、 どのようなバリエーションがあるかは未調査です。 ただ、初期のカタログには、 全く違う形状の無線装置らしき物が掲載されております。 また、ニコンFフォトミックが発売された頃のカタログには 明らかに、ニコン用と思われる無線装置の画像がカタログに載っています。 しかし値段等は一切記述がなく、実際に販売されたかどうかは不明です。

この機種の使用説明書は、数種類確認出来ておりますので、 思っていたより長期間にわたって販売されていたようです。 1964年のカタログより登場して来ましたので、他のアクセサリー同様、 東京オリンピックに合わせて発売されたのではないかと思われます。 ちなみに当時の価格は15万円でした。

ニコン無線操作装置

ニコン無線操作装置

鈴木昭彦さんの説明によると「長期間にわたって販売されていたようです」とのことですが、 当時の価格表を調べてみると、なんと昭和49年(1974年)まで販売されていたようです。 価格は 150,000円。すでに、ニコンF2が最盛期の時代です。 具体的には、ニコンシステムチャートの昭和49年(1974年)2月1日版には掲載されていて、 昭和49年(1974年)6月1日版以降には掲載が無いことを確認しました。

ラジオコントロールセット MW-1

ニコン100年史によりますと、正式名称はラジオコントロールセット MW-1。 発売開始時期は、1976年5月。 ニコンシステムチャートを調べると価格は 150,000円。

ラジオコントロールセット MW-1(送信機)

ラジオコントロールセット MW-1(受信機)

ラジオコントロールセット MW-1(送受信機)

装置が装置だけに、さらに高額な製品だったので、 前の製品が終了して次に新型とスムーズにつながったわけではありませんでした。 当時の価格表を調べてみると、 初代ニコン無線操作装置から次の新型のMW-1型が出るまで、約 2年間のブランク (カタログ・製品リストに出ていない時期)があることがわかりました。

ラジオコントロールセット MW-2

ニコン100年史によりますと、正式名称はラジオコントロールセット MW-2。 発売開始時期は、1986年4月。 ニコンプライスリストを調べると価格は 175,000円。

ラジオコントロールセット MW-2(送信機)

ラジオコントロールセット MW-2(送信機)

ラジオコントロールセット MW-2(受信機)

ラジオコントロールセット MW-2(受信機)

ラジオコントロールセット MW-2(送受信機)

ラジオコントロールセット MW-2(送受信機)

ニコン・ラジオコントロール装置

いずれのラジコン装置には、昭和時代の方々には懐かしいロッドアンテナが装備されています。 本サイトを愛読してくださる小中学生のスマホ・ネイティブの皆様にはなじみがないと思いますが、 二昔前の携帯電話、いわゆるガラケーには短いながらアンテナが装備されていた時代がありました。 帯域のかんけいでアンテナが短くなり内蔵され隠れたので、無線通信機であることを忘れてしまいます。

ロッドアンテナは伸縮可能な棒状のアンテナのことで、使う時にスルスルと延ばして感度を高めたものです。 長さは延ばすと 1メートルくらいでしょうか。トランジスタラジオやラジカセに付いていたのが昭和時代でした。

ニコンのそれは、かなり強力な電波が飛ぶようで、 移動体通信工学全般と時代の電波法規をからめて製品を論じるのはおもしろいテーマだと思います。 まだ誰もこのあたりを詰めて言及していないようですから、どなたか、よろしくお願いいたします。

ニコン・メディアポート

ニコン・メディアポート UP300は、2008年12月に販売されました。 「UPSTORE」という販売サイトからの予約・販売のみで、店頭に並ぶことはなかったため、 今となっては語る人も皆無で、ほとんど知られていません。 今どき令和の時代に、話題にするのは世界的に見てもニコン研究会だけです。

ニコン・メディアポート UP300x

「世界初の Wi-Fi通信機能、動画再生、大容量メモリー搭載のヘッドホン型映像再生機器」とのふれこみでした。 2008年といえば、日本で初めてスマホ(iPhone 3G)が発売されたのが、2008年の 7月のこと。 メディアポート UP300の登場は、まだまだ時代的に早すぎたのかもしれません。

ニコン・メディアポート UP300x

ニコン・メディアポート UP300x

本日のお散歩カメラ

カジュアルな「お散歩カメラ」として、いまカメラバッグに入っている武器を見せていただきました。

本日のお散歩カメラ

ニコンF2ブラックボディ

ニコン Z 30

ニコン F-801

ここまで使い込まれたニコン F-801を見たことがありません。 ニセ貫禄ではなく、ホンモノの貫禄が漂います。 当時のフラグシップ機ニコンF4とおでこが似ています。 見た目は入門機のようですが実は高性能機。かなり「通」のセレクトとなります。

Nocfニッコールと Noctニッコール

本日のお散歩レンズはニッコール 58mm F1.2でした。 一部のマニヤに有名な Nocf-NIKKOR。 Noct-NIKKOR と刻印されたモデルもあります。

ニッコール 58mm F1.2

Nocf-NIKKOR と Noct-NIKKOR

白金プラチナ色の 72mmレンズキャップ

ニコン研究会 2023年 9月例会

夏から秋の色

楽しいカメラ談義の例会が終わりました。会場の外に出ると、空は秋の気配。

東京・八丁堀

空はすでに秋。

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