November 2009, Nikon Kenkyukai

マウンテンニッコール 105mm F4

November 21, 2009
Nikon Kenkyukai Tokyo Meeting
105 SPECIAL
KOMURA and Takumar
Mountain Nikkor Lenses
Ginza Street View

十一月の銀座

ニコン研究会 11月ミーティング会場の東京・銀座は、冬のような晴天。 汐留駅から会場に歩いて向かいながら街の記憶をスナップしてみました。

銀座八丁目

銀座七丁目

銀座五丁目

ユニクロ

3か月前までブルックスブラザーズ銀座本店があったところに、突如ユニクロが出現していた。 そういう時代となった記憶。街の変化は光速より早い。

銀座四丁目

冷気をかんじる銀座は十一月の空

105 スペシアル

今回は、数字をにテーマに設定してみました。 初めての試みの第1回は、105です。 105と名の付くカメラやレンズを持ち寄ることにしました。 非常にユニークなコレクションが集まりましたので紹介しましょう。

ゼンザブロニカ

さてテーブルの上には、グレイ貼り革とクロームめっきのバランスが美しい、 初期のゼンザブロニカ。 ボデイには、レンズシャッターの付いたニッコール 105mm F3.5がマウントされています。 これと同じレンズはマーシャル・プレスにも付いているそうで、 現物を見てみました。

初期のゼンザブロニカにはニッコール 105mm F3.5

マーシャル・プレスにも同じニッコール 105mm F3.5が付いている

珍しいニッコールFモーター機には定番のニッコール 105mm F2.5

専用フィルター付きフル装備の UVニッコール 105mm F4.5

ポートレイトレンズは大口径の AIニッコール 105mm F1.8

優れた描写で根強い人気のマイクロニッコール 105mm F4

コムラー三兄弟と珍しいプリセットタクマー

焦点距離 105mmのコムラーレンズが揃いました。 105mm F3.5、105mm F2.8そして 105mm F2.0の三兄弟です。 3本集まると、それぞれの個性が見えてきます。 コレクターズコンディションのコムラー 105mm F2.0は、 美しい元箱に革ケース付きです。

コムラー 105mm 三兄弟

コレクターズコンディションのコムラー 105mm F2.0

105mmではありませんが、珍しいタクマーレンズを紹介しましょう。 プリセット絞りのオート・タクマー 135mm F3.5です。 ウエブ上に数々のプリセット絞りのタクマー 135mm F3.5の画像が公開されていますが、 このタイプのものは見たことがありません。 タクマーレンズにも詳しい会員も、 「初めて見た」とのことですから、かなり珍しいタクマーレンズといえるでしょう。 鏡胴がすべて黒色です。プリセット絞りの解除レバーがチャームポイントなのです。

オート・タクマー135mm F3.5

非常に珍しいプリセット絞りの初期型

龍さんのプレスコーナー

歴史の報道シーンの現場に立ち会ってきた、小秋元龍プロに 105ミリ作法を聞きました。 105ミリと言えば、ご存知マウンテンニッコール。 いまでこそ話題になりますが、 販売されていた当時は安価版の 105ミリレンズの位置付けでした。 しかしながら、プロフェッショナルの世界は違います。 性能がよければ使う。ただそれだけです。 ともかく実戦なのです。

高性能マウンテンニッコールと昭和36年は日本の空

1961年(昭和36年)10月。 小秋元龍プロは、四国沖で海上自衛隊航空部隊のプレス取材を敢行。 ロッキード P2V-7対潜哨戒機をとらえる。 もちろん小秋元プロは、この対潜哨戒機にプレスとして搭乗し、 最前部ガラス風防席に陣取り、報道写真撮影を行なったのです。

写真機はニコンSP。レンズは 10.5cm F4 マウンテンニッコール。 マニヤであれば、海上の船団の写りが気になるでしょう。 海上自衛隊機に同乗してニコンSPを操作した、 小秋元龍プロの語りはホンモノであります。 この1枚の写真は、 当時リアルタイムで活躍していた海上自衛隊航空部隊の飛行中の機体を、 近距離からとらえた珍しい報道写真なのです。

そのユニークな形状から、 趣味のレンズの感があるマウンテンニッコールですが、 昭和36年(1961年)当時に報道写真で使われていた事実を検証してみると、 小型軽量でシンプルなレンズでありながら、 寡黙なパフォーマンスを秘めた一流の名レンズであることが認識できました。

航空撮影の醍醐味を語るミスター・プレス小秋元龍プロ

1986年4月 レーガン大統領訪日の取材
ロサンゼルス国際空港 VIPエリアにて

小秋元プロから米国大統領取材の様子を聞くニコ研会員

報道の現場での実戦投入が確認されたマウンテンニッコール

宵の銀座

さて例会も終わり、銀座はもう宵の時。午後5時ですでに空は群青色。 世間はまだ十一月なのに早々とクリスマスのイルミネーションが輝いていました。

ブルガリとカルティエ前

松屋銀座

川瀬巴水の版画のような宵の色

アップルストア

午後五時

服部時計店

資生堂パーラー前

さて次回は

次回、12月のニコン研究会トーキョー・ミーティングには、 スペシアルゲストの方々に登場していただくことになっています。 ともかくスペシアルゲストの方々なのです。

2023年のあとがき

この記事のオリジナルは、2009年11月に公開しました。
2023年6月。記事を全面的に改版しました。 会場に向かう道行、ミーティングが終わって午後五時宵の風景。 記事公開当初では掲載していなかった画像ですが、 改版にあたりファイルを確認したところ、街の絵が残っていましたので追加しました。 すべての画像は、撮影原板から再度画像を切り出し直し、画像品質を高めてあります。

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