MACRO Nikkor 35mm F4.5, Tokyo Shinjyuku

MACRO Nikkor 35mm F4.5 Lens and Nikon Shinjuku Service Center

新宿サービスセンターへ行く

東京・新宿。
新宿エルタワー28階。
ニコン新宿サービスセンター。高層ビルのほぼ最上階。
ロケーションのよいところに、ニコン新宿サービスセンターはある。
ここではいつも、ほんとに細かいところでお世話になっている。
今回持ち込んだのは、 おそらくニッコールレンズでも史上最小の部類といわれるレンズだ。

ニコン新宿サービスセンター

これが本当のニコンのサービス

マクロニッコール35mm F4.5。きわめて小さくかわいい。
レンズの後玉(バックエレメント)にどうしても洗浄できない汚れがあった。 直径数ミリのものだが半透明のスリガラス状になっていた。 ふつう数ミリの汚れでは撮影に気にならないが、 もともと直径10ミリもないレンズ面での数ミリだ。気にすれば気になる。

レンズの後玉の交換をお願いしてみた。
まさか交換用の保守部品が在庫されているとは夢にも思わなかったが、 聞いてみるものである。 なんとマクロニッコール35mm F4.5のレンズの後玉が正規の部品として在庫されていて、 交換修理可能だという。 さっそく持ち込んでバックエレメントの交換修理をお願いした。

専門家によるフルレストア

直径10ミリにも満たないレンズ1枚の交換ではあるが約2万円。
部品代が2,950円。修理基礎料金が16,800円ということだった。 レンズの実物を見ると、この小さなレンズにしては安くはない。 しかし今しか修理ができないと思いお願いした。 これもレッドブックものを所有する義務なのである。 少々おおげさか。

交換修理作業は非常にていねいにやっていただいた。 修理伝票にも「取扱い注意」と明記してくれて、 レッドブックニッコールは専門家の待機している工場へ向かったのだ。 新品よりも新品らしく、専用部品を使い全パーツ再アセンブルによるフルレストアの敢行だ。 特殊な専門測定器によるピント精度ぎりぎりの鮮鋭度復活だ。 小さいレンズに重装備の手が加わる瞬間、日本光学魂が蘇る。

修理完了

完成したレストア技術

修理を待つこと1か月と少し。
カメラ部門ではない、ニコンインストルメンツカンパニーが対応してくれた。 ニコンインストルメンツカンパニーの専門家でしかできない作業内容のためだ。 でも新宿サービスセンターが窓口を代行してくれた。 日曜日くらいしか都合がつかない人間にとっては、とてもありがたいことだ。

完全に新品の状態で帰ってきた。
交換されたレンズの後玉(バックエレメント)は小さいビニール袋に入れられ いっしょにもどってきた。 これが交換された部品か。マニヤにはうれしい対応だ。
きわめて小さいレンズだが精密なコーテングがされていて、金属製のワクに収まっている。 色消しレンズと伝票に書いてあったので、貼り合わせのアクロマートレンズのようだ。

交換されたバックエレメントには、 金属ワクの内側をていねいに上質のつや消し黒塗装が施されていた。 細かいこういう芸を見ると、さすが日本光学と思ってしまう。
マニヤはこういうところを、こういう技をみているのだ。 さすが、というしか言葉がない。

修理明細伝票

景色を構成する光学邂逅

新宿サービスセンターの28階から、 とおく高層ビルを見渡せるカウンターに修理が出来上がったレンズと伝票を置いてみた。
ちゃんと景色になっている。 こんなに小さいレンズなのに景色になってしまうのはさすがだ。
確認用にポケットに入れておいたツアイスルーペが大きくみえる。
マクロニッコール35mm F4.5は、 ニッコールレンズ史上最小で最高の性能を秘めた高解像度拡大撮影専用レンズなのだ。

2016年の追記

ここまでのコンテンツは2001年11月当時のものです。
RMSマウントのニッコールレンズを修理した実録ということで公開したものです。
2001年当時は1枚きりだった画像ですが、 2016年の見直しにあたり、その当時に撮影した画像をすこし追加しました。

ニコンのサービスセンターのことをすこし。
2016年4月末に、 「札幌サービスセンター」および「福岡サービスセンター」が業務終了となりました。 ニコンファンとしてはとても残念なことでした。 時代の流れの中で、効率化も大切なことですが、なにかもうすこし工夫できないものかと思いました。

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