July 2005, Nikon Kenkyukai Tokyo, Meeting Report

Nikon 35mm Film Direct Telephoto Transmitter NT-1000

July 16, 2005

ED 800mm and 600mm

Macro Nikkor Lenses

35mm Film Transmitter

NT-1000, 2000 and 3000

夏の始まりニコンの夏

夏の例会が始まりました。
都内の会場には、クルマで来た会員がなにやら大きな荷物を降ろしています。
頑丈な収納コンテナに入った、報道用の写真電送装置の数々。
今回も、ユニークなコレクションが登場します。

さて、最初に紹介されたのが、ニコンカメラ創成期の美しい紙ものコレクションです。
昭和22(1947)年当時のカメラ雑誌に掲載された、 ニッコールレンズ、ニコンカメラの広告です。
ニコンI型の最初の紹介記事(1947年9月号)、 そしてニコンI型最初の広告(1947年10月号)が掲載されている歴史的資料です。
それにしても、 なんともデザインの美しいアートディレクション、 芸術性の高いモダンな表紙絵に注目してください。

ニッコールレンズ最初の広告(1947年9月号)と同型のニッコールレンズ

左はI型最初の紹介記事(1947年9月号)右にI型最初の広告(1947年10月号)

ニコンI型の広告(1947年10月号、右は同12月号)

昭和モダンな表紙の「光画月刊」1947年

戦前・戦後の日本光学グッズ

さて、コレクションで難しいのは紙もの・小ものと言われていますが、 日本光学の社史に掲載されていて有名でありながら、 実物はなかなか見ることができないものがあります。

戦前の日本光学グッズといえば、 日本光学大井工場新築記念に造られたブロンズ製ライオン像でしょう。
小さいけれど手にするとズシリと重いトルソーには、 昭和八年(1933年)十月の刻印があります。
ほんらいは小さい虫めがねをセットしますが、 少し手を加えるとニッコールレンズのディスプレイスタンドになります。

日本光斈創立30周年の記念バッチはゴージャスな赤い七宝焼。
小さい桐の箱に入っています。
昭和22年(1947年)のものだったのです。

日本光学の刻印が入ったライオンのブロンズ像

新築記念昭和八年十月の刻印

日本光斈創立30周年記念バッチ(昭和22年)

七宝焼製の30周年記念バッチ拡大写真

元箱入り完全セットのスポーツファインダー

EDニッコール望遠レンズ

ニコンFマウント望遠レンズの、珍しいゴールドライン・シリーズを紹介します。
EDニッコール600mm F5.6とEDニッコール800mm F8 がテーブルの上に並びました。
EDガラスを使った高級高性能望遠レンズです。
フォーカシングユニットも2種類揃えてみました。
122mm径の大型フィルターを外してみると、 そこにはデリケートな性能を秘めた前玉がこちらを向いています。
もう何も説明はいらないでしょう。
その重量感のあるスクラッチビルドな鏡胴と、輝く金色のラインを見てください。

珍しいゴールドラインシリーズのEDニッコール望遠レンズ

EDニッコール600mm F5.6とEDニッコール800mm F8

神々しいまでの美しい大型EDニッコールの前玉

マクロニッコールのすべて

工業用ニッコールレンズ特集の第3回です。
正確に言うと今回のレンズは、 産業用レンズあるいは科学写真用レンズに分類されるレンズかもしれません。
工業用ニッコールレンズ研究家の秋山満夫が持ち込んだのは、 大型マクロ写真撮影装置(MULTIPHOT)専用レンズセットです。
顕微鏡対物マウントのマクロニッコール35mm F4.5と19mm F2.8です。
さらにライカスクリューマウントの、 マクロニッコール12cm F6.3と65mm F4.5が加わり、フルセットが揃いました。

ごらんの通り、顕微鏡対物マウントのマクロニッコール35mm F4.5と19mm F2.8は、 小さい専用プラスチックケースに入っています
ニッコールレンズと名が付くレンズでは、最小のレンズかもしれません。
これで、もともと4×5インチ判の大型カメラ用に専用設計されているから驚きです。
ライカスクリューマウントのマクロニッコール12cm F6.3と65mm F4.5は、 L-Fリングを介してFマウントのカメラに装着します。

マクロニッコールお道具拝見

マクロニッコール35mm F4.5に19mm F2.8それに対物マウントアダプター

マクロニッコール12cm F6.3に65mm F4.5それに専用キャップセット

山岳写真撮影仕様のマクロニッコール12cm F6.3フード付き

F6にはウルトラマイクロニッコール125mm F2.8が良く似合う

伝説のニコンフィルムダイレクト電送装置

新聞社や通信社を中心とした報道・プレスの世界で、 一時代を築いた写真電送装置があったことをご存知でしょうか。
正確には、写真プリントの電送装置ではなく、フィルム画像の伝送装置です。
現在では現役を引退したシステムですが、 フィルムダイレクト電送装置は、フィルムスキャナーのもとになった製品なのです。
共同通信社のプレスフォトグラファーとの会話から、 コンセプトを発案し製品化を提案したのが、豊田堅二氏です。

株式会社ニコンのウエブサイト、「ニコンファミリーの従姉妹たち」の連載第21回で、 豊田 堅二氏ご本人が「35mmダイレクト電送装置 NT-1000/2000/3000」 と題して開発物語を執筆されていますので、ぜひ読んでみてください。(注)

さて、 ニコンフィルムダイレクト電送装置の世界的なコレクターである、 猫洞まこと氏が持ち込んだ重量級コレクションを紹介してみましょう。
フルラインナップが車から降ろされ、4人ががりで会場へ運び込みました。
コレクションも、ここまでくると命がけです。

(注)
「ニコンファミリーの従姉妹たち」の連載は素晴らしい内容でしたが、 2016年現在、残念ながらコンテンツがありませんでしたのでリンクを消しました。
過去の連載記事を削除するのではなく、アーカイブとして残していただきたいものです。
ぜひ優れた記事の復活をよろしくお願い申し上げます。

ニコンフィルム電送装置の専用ハードケースにコンテナ

テーブルの上に並んだ往年の名機

まず、1984(昭和59)年に開発された、Nikon 35mmフィルムダイレクト電送装置 NT-1000。
ハードコンテナに収納された、1986(昭和61)年のNikon モニタープリンタNW-100。
次に、1988(昭和63)年には、 Nikon 35mmカラーフィルムスキャナ/ダイレクト電送機 NT-2000。
この装置は、重いこと重いこと。
最終モデルは、 とにかく重たいからなんとかしてくれとの現場の声にこたえて、 1991(平成3)年に登場した35mmフィルムダイレクトカラー電送機 NT-3000。
いくらか軽くなったといえば、それは気分の問題で、それでも重い。
当時のプレス事情が理解できました。

Nikon 35mmフィルムダイレクト電送装置 NT-1000

NT-1000の操作パネル(スライド操作部)

NT-1000の操作パネル(ボタン操作部)

Nikon 35mmカラーフィルムスキャナ/ダイレクト電送機 NT-2000

NT-2000のポップアップ式ビューワー

35mmフィルムダイレクトカラー電送機 NT-3000

小型化された NT-3000

モニタープリンタ NW-100と専用ハードケース

豊田堅二氏からのメッセージ

ニコンフィルムダイレクト電送装置の紹介記事の掲載にあたり、 この装置の発案者の豊田堅二氏に監修をお願いしたところ、 以下のメッセージをいただきました。

いやあ、懐かしいですね。
NT-1000は、モノクロの電送装置ですが、 取材現場からプリントをせずに電送できるということで、 当時としては画期的なものでした。
まだモニターになるようなCRTや液晶パネルもなく、 ネガを直接覗くようになっている光学ファインダーがご愛敬です。

NT-2000は、そのカラー化版ですが、 当時の技術ではカラー化そのものも並大抵のことではなく、 とてつもなく大型化してしまいました。
海外取材などで空港でチェックインする際もかなり手間がかかったようです。

NT-3000はけっこう進んだ機能を持っていました。
パソコンのようにボードを差し込むスロットをいくつか持っており、 そこに挿入する通信ボードを交換することにより、アナログ電送、デジタル電送、 圧縮機能付きのデジタル電送など、スペックをグレードアップすることができたのです。
いわば電送機のフォトミックですね。

いずれにしても、新聞社の片隅でほこりをかぶっているであろう、 これらの機材を救出して、再び日の目をみせていただいたことは、 大変うれしいことです。
努力していただいたニコン研究会のみなさまにお礼を申し上げます。

ついでにお願いなのですが、もう一つ救出してほしいものがあるのです。
拙著「ニコンファミリーの従姉妹たち」の表紙にも載っている 報道用スチルビデオカメラ「QV-1000C」なのです。
このカメラは小型でデザインも美しく、 しかも全世界で180数台しか存在しないという貴重品ですよ。
撮影結果は専用の電送機でしか見られず、 プリントするにはNECあるいは松下製の写真電送機の受信機が必要 というところが難点ですが...。

豊田堅二

編集部注:
話題に上がりました報道用スチルビデオカメラ「QV-1000C」ですが、 ニコン研究会の会員がすでに捕獲されて、 動体保存しているとの報告が入りました。 次回のミーティングに登場するかもしれません。

ナイス・ミーテンング

さて今回も、中身の濃い、めったに見ることのできない逸品が集合した例会でした。
最後は会議テーブルやイスなど、元の通りに後かたづけをして解散となります。
クルマで来られる会員もいます。
黄色いクルマに乗った会員もいます。

黄色いクルマ?
ランボルギーニ・ガヤルド(Lamborghini Gallardo)ではないですか。
バコバコ、バヒュゥ〜〜ン、ンンン・・・・・・
と乾いたエキゾーストサウンドを響かせて、 次回もまたニコン研究会に集まりましょう。


謝辞
ニコンフィルムダイレクト電送装置の紹介記事の掲載にあたり、 この装置を当時発案し製品化を企画された豊田堅二氏に監修をいただき、 さらにメッセージもいただきました。
どうもありがとうございました。あつく御礼申し上げます。

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